第4話 俺がやるしか

 この村は滅びる。


実感が全く湧かないが、でも実際そうなってしまうのだろう。


このまま何もしなければ。


だが、俺に一体何ができるというのだろう。


あぁ、あの小説の主人公だったら秒で解決するんだろうな。


いや、違うだろ。


そうやって〇〇だったらと妄想して実際に行動に移そうとしない。 俺の悪いところだ。


今の俺に出来ることは村が無事で済む方法を考えることだ!


「俺はこの村に残ります」


俺は人生で初めて自分の心からの言葉を言った気がする。


村のみんなは賛成しかねていたが、俺は熱意で押し通した。


 



  俺はほぼ自室と化している本の部屋にすぐに帰った。


「何か! 対抗できる方法はないのか!」


能のない俺に出来ることはこの状況を打開する知識を得ること。


もっと他にこう……賢い選択があったのかもしれないが、俺にはこの方法しか思いつかなかった。


俺は手当り次第に本を読み漁る。


しかし、キングゴブリンに対する知識を得れば得るほど相手が如何に強大な敵であるかを思い知らされる。、


戦うというのは最も愚かな行為だ。


しかし、冒険者が手を貸してくれない以上この方法以外に村を守る手段がない。


だけど俺には…………


イラつきからか山積みの本を乱暴に引っ張った拍子に、1冊の本が床に落ちる。


その本は明らかに小さかった。生徒手帳くらいのサイズしかなくそれよりも薄い。


しかしどこか開いてみたくなる魅力があった。


俺は少し警戒しながらその本を拾い上げ、ゆっくりと開く。すると――


開いたページがまばゆい光を放ったかと思うと、その光の中からとんでもない量の紙が飛び出してきた。


慌てて本を閉じようとするが、あまりに紙が飛び出してくる勢いが強くてできなかった。


結局その紙は部屋中を埋め尽くし、俺は部屋の外へ押し流された。


俺は顔に引っ付いた紙を取り、そこに書いてある文字を読む。


偶然にもそれはこの本の最後のページだったようで、[あとがき]と書いてあった。


「この本を世に放つことが魔法戦争の終結につながると信じてやまない。この劇的な魔術書が愛ある者に紡がれることを願う byジレント」



《あとがき》

この作品が気になった方はぜひ、評価、フォロー、コメントしてくださるとすっごく嬉しいです!


次回、10月23日日曜日20時03分に【第5話 メモを使ってチート魔法を使う】を公開します。


次から1話づつ更新になるかもしれないですorz

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