ソコ

第1話

ひかりがさす。

どこまでも。

深くて、静かな、海底に。

暗くて、豊かな、海底に。

差し込む光が眩しくて、一瞬の隙を突かれた。

脚をとられて、もがいていた。

どんどん、どんどん、引きずり込まれて、

とーいところまできてしまった。

光も影も何もない。

ない。だけが存在している。

そんな感覚に襲われた。

悪い心地はしなかった。

むしろ、スーッと落ち着いて、

地上よりも、それははるかに、

心地良いソコだった。

こんなところに来てしまったら、

もう、簡単には戻れないと。