第42話 朝占い
猫と戯れてから、水瀬さんと並んで登校するけど、こうしてそばに居るだけでも楽しいと思えるのだから不思議だ。
「水瀬さんは朝の占いとか見る?」
「朝、出る前によく見てます。あんまり信じてはいないですけど、順位が高いと少し嬉しいので」
「確かにね」
占いはあくまで占いなので、信じすぎても良くないだろうけど、それでもプラシーボ効果くらいは期待できるかもなので、ついつい見てしまう。
「蒼井くんもそういうの見るんですね。男の子は興味無い人が多い印象でした」
「時間的に同じようなのを毎回ついつい見ちゃうんだよね」
そこまでテレビっ子という訳でもないけど、朝の何気ない時間のBGMにテレビは悪くないのでついつい付けてしまう。
「水瀬さんが見てるのって、星座占いのやつ?」
「そうですよ。私は今日は2位でした」
「もしかしておとめ座?」
「はい。同じ番組見てるみたいですね」
「そうみたいだね」
まあ、出てくる時間的にも同じようなのを見ててもおかしくないけど、おとめ座ってことは8月か9月辺りが誕生日かな?
「蒼井くんはどうでしたか?」
「俺は3位だったかな」
「じゃあ、えっと……牡羊座でしょうか?」
「うん、正解」
毎日変わる星座ごとの結果なんて、覚えてる方が稀だけど、比較的順位が近いか取り上げれると覚えてることもあるようで、俺も水瀬さんもお互いに順位を把握していたようだ。
「もしかして3月生まれとか?」
「いや、4月だよ。少し前に誕生日は過ぎてるかな。水瀬さんは誕生日いつなの?」
「私は9月10日です」
ふむふむ、9月10日が誕生日か……しっかりと覚えておこう。
「じゃあ、その日はしっかりとお祝いしないとね」
「それは嬉しいですけど……蒼井くんは何日に誕生日だったんですか?」
「ええっと……2日だよ」
確かあと一日早かったら学年が違ったはずなので、その点で言えば水瀬さんと同じ学年で心底良かったと思う今日この頃。
「そうなんですか……えっと、とりあえずおめでとうございます」
「うん、ありがとう」
まさか既に過ぎてるとは思ってなかったのか、かなり驚いたような表情ではあったけど、そうして水瀬さんからお祝いの言葉を貰えた。
正直、物凄く嬉しい。
それに満足しながら、そのまま別の話に流れていくが……この時に、水瀬さんが俺の誕生日の話で何かを考えていたようだったが、それはそれとして水瀬さんはやはり見てて飽きないなぁ。
こうして傍で話しているだけで、色んな顔を見られるし、返ってくる反応もどれも凄く良いので、今後も色んな顔を見たいものだ。
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