それでも私は触りたい。

五池真礼

第1話 私は猫派

 この世には、犬派の人間と猫派の人間がいる。

 私は紛れもなく後者――猫派である。


 猫が好きで、好きで、大好きな私。

 テレビに猫が映れば、

「はあん……。かわいい……」

 感嘆のため息を漏らしながら画面に釘付けである。

 一体何なんだ。あの可愛さは。

 ビー玉みたいにくりっとした目。ぺろぺろ舐める舌。何とも言えない肉球。かまってアピールの鳴き声。

 ああ、すべてが愛おしくてたまらない。

 ああ、やっぱり私は猫派だ。猫大好き人間だ。


 だからこそ私は、猫に触りたい。いわゆる〝モフモフ〟っていうやつをしたいのだ。

 だからこそ私は、猫を飼いたい。毎日あの愛くるしい姿を拝んで――モフりたい。

 だからこそ私は、猫をずっと愛せる。

 私の〝猫愛〟は止まらない。


 だけど。だけどね。

 ひとつ。たったひとつ問題があるの。


 同棲中の私の彼氏、





 猫アレルギーなの。



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