第10話 古橋先生との相談

 今日もいつものように寒い状態で登校して、明日香に抱きついた。

すると、明日香がある提案をしてきた。

「今日、放課後に古橋先生に相談しない?」

私はそう聞かれたが、何のことかわからなかった。

「寒がりなことだよ。だって、私たち学校で一位、二位を争うくらい寒がりじゃん」

私はそう聞かれて、少しいい案だと思った。

「うん、今日の放課後に相談しに行こう」

「ありがとう」

私はそう明日香に言われたので「お互い様だよ」と明日香の耳元でささやいた。

 そして、今日一日の授業も頑張って、やがて、放課後になった。

「絵理奈~ 今から行こう」

明日香が私のところに来てそう言ったので、私は「うん、そうだね」と言って、明日香と一緒に職員室まで行った。

 「失礼します、1年1組の濱口 絵理奈です」

「失礼します、1年1組2番の有川 明日香です」

「古橋先生、今お時間よろしいでしょうか?」

「職員室の外で待ってて」

古橋先生はそう言ったので、私たちは職員室の外で待った。

 少し待つと、古橋先生がいらっしゃった。

「二人ともおんなじ用事でいい?」

「はい」

私がそういうと、古橋先生は職員室前の椅子に座って、私たちもその両隣の席に座った。

「今日は何の用事なの?」

「この前の話と少し重なることがあるんですが、私たち、とても寒がりなんです」

私がそういうと、明日香も続けて「私も、絵理奈と同じくらい寒がりなんです」と言った。

「何か配慮した方がいいの?」

「できればお願いします」

「う~ん、そうだね、窓側の方の有川さんでも寒いんでしょ」

そう先生がおっしゃと、明日香は「はい、あの席でもかなり寒いです」と言った。

「多分有川さんの席でも寒いということは、教室でのコート着用を来月も二人だけだけど、認める感じかな~」

「それか、登下校中は絶対に許可できないけど、スカートの中に防寒用のズボンの着用を認めたりすることとかかな~」

「私、教員やってきた中で、寒がりの人の話聞いたことがあるんだけど、ここまでの寒がりはいなかったから、ちょっと、しばらくの間考えさせてくれない?」

古橋先生は私たちにいくつか案を出してくれた。

「ありがとうございます」

「ありがとうございます」

私たちはそうお礼を言って、今日も二人で下校した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る