short short(story)潰れた空き缶
嶋 徹
第1話 回転寿司
家から歩いて10分のところに回転寿司屋がある。
妻と行くことにした。13:00、混んでいるだろうことが予想された。
「少しくらいまってもいいじゃない」
と身仕度をしながら妻が呟く。
夫「お手をされた犬じゃないんだから待つのは御免だ」
妻「土曜日のこの時間はどこに行ってもこんでるわよ」
(それにしても暑いな。10月半ばだぞ)
夫「帰ってきたらエアコンつけよう」
妻「もう10月ですよ」
夫「11月だろうが12月だろうが暑ければつけるんだよ!これはドラえもんの名言だ」
妻「ハイハイ、行こう」
夫「行こう」
Tシャツで充分の陽気で夏を彷彿とさせた。
夫「着いた。ふ~」
夫「今はお出迎えのいらっしゃいませもなくなった。ご案内もなくなった。会計も無人だろ?確か?無くしすぎだよ」
そう待たずにすんだ。
私は席についたらすぐにビールをタッチパネルで注文した。あと一杯のんで冷酒に代えた。妻はあまり魚が好きではなくタマゴとかタコとか唐揚げを食べていた。
ジョッキが2つ、皿が20枚ほどになったのでテーブルがごちゃごちゃになってきた。
夫「あのお兄さん、すみません」
店員「はい?」
夫「いやね、テーブルがごちゃごちゃになったからお皿みんな片付けてください」
店員「はい」
夫「だから……」
妻「すいません。帰りますのでお会計お願いいたします。あ~恥ずかしい」
夫「なんで?どうしたの?」
会計をすましふたり外にでた。
妻が言った、
「あなたとは2度と回転寿司にはいかない」
そう言い放つとぷんぷんとひとり帰路に付いた。
「なんで?おかしいな?あれ?」
と、ひとりてくてくて歩いて帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます