吸血鬼
バブみ道日丿宮組
お題:肌寒い血液 制限時間:15分
吸血鬼というのは、生きるのに人の血を吸う。
だが、一般社会の一人として生きる吸血鬼は人の血を吸えない。同意があればまた別のことだが、基本的にはルールに縛られてる。
一般の吸血鬼が吸うのは、人工血液だ。
血液型によって血の味が違う。生きた人の血もまた違う。
そういうこともあって、犯罪は多い。
毎日のように吸血鬼による吸血事件が起こってる。
生暖かい人の血はそれだけ狂わせる力を持ってる。
人工血液を温めればいいのではないかという人の一般論は当てはまらない。人の温かさと、お湯はイコールにはならないのだから。
ーー人間牧場を作る。
そんなことをいう吸血鬼もいる。
当然人の住む世界でそんなことは許可されない。
人は生命の塊だ。
じゃぁ、牛はどうなんだ。鳥はどうなん。豚はどうなんだ。魚はどうなんだ。
吸血鬼は吠える。
彼らだけが例外ではない。
ならば、人も吸われるだけのために飼育すべきだ、と。
反発の声も強く出る。
知的生命体は違う、と。
感情があるのは、動物も同じだ。痛みを感じるのが動物なのだ。
平行線の問答が繰り返される。
答えの出ない問題がかれこれ100年以上続いてる。
生きるというのは、生命の略奪。
だから、感謝しなくてはならない。
今このとき、血を吸われてるとしてもーー。
吸血鬼 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます