第四話

 雪が舞う。寒い。寒すぎる。ロインの体は冷え切っていた。いや、それにしてもおかしい。 


 「はあ……はあ……はあ」


 「ロイン、どうした?」


 カズヤは馬から降りた。


 「なんか変なんだ」


 ロインの顔は真っ赤だった。カズヤはロインに向かって馬から降りるよう命じた。


 「ちょっと……何この熱!?」


 カズヤがロインの額に手を当てた。


 「野宿で風邪ひいたみたいだ。初野宿は失敗だな」


 「何のんきなこと言ってるんだよ。風邪で人が死ぬ時だってあるんだぞ」


 そう言うとカズヤは回復魔法を唱える。


 「お前……すげえな。回復魔法出来るのか」


 「水晶貸して」


 ロインは水晶を渡した。


 「何するの……?」


 「昨日の相手に話すことは出来ないが……」


 なんと光の矢が生じた!


 「この方向に行くと魔法石の反応がある。イコール村があるということだ。もっとも魔法石の鉱山だったらアウトだが」


 「おまえ、すげえぜ……」


 「馬に乗ってられるか?」


 「朦朧もうろうとする」


 「がんばれ。村に着いたら薬を飲むんだ」


 ロインはどうにかもう一回馬に乗った。そして三時間後、二人は村に到着した。


 幸い、二人は古い魔石を手放していなかった。急いで魔石を売って金にして、薬を買った。


 そして酋長の家に行き挨拶に行く。


 「同じベルダーシュの家で看病してもらうといい」


 こうしてスタ村のベルダーシュ、ワクの家に世話になった。女→男のベルダーシュだがどっからどう見ても女だった。


 幸い、ワクは薬の調合の心得があった。


 「助かるぜ」


 「長旅で疲れたのね」


 「しばらく、ここに居て」


 「代わりに魔法を教えて頂戴。それがお代よ」


 「もちろんだぜ、回復魔法だがいいのか?」


 カズヤは念のために聞いた。


 「大歓迎よ」

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