第二章 ラディア
~序~
旅立ちは不安だらけだった。雪が散らついて来た。
なにより所持金が少ない。
ネイティブアメリカンの部族は自給自足が原則とは言え他部族や流浪の民から物を買う事もある。そのために南方から流通する銀貨を使うのだが、もらったのはたったの一枚であった。
街道などというものはない。いや……あるのだがこの辺は無いに等しい。つまり森をひたすら進むのである。
この時、風の刃の術で樹を切り簡単な小屋を作る能力がロインの旅に役に立った。
それだけでなく他の旅人にとっても有益な施設となった。ロインはこの時少しだけ生きる勇気が復活した。ありがとうの言葉がなによりうれしかった。
お金は薪を売ることで得られる。
魔力の源泉となる獲物は魔法でどうにか倒せる。鹿やイノシシ。ベルダーシュにとっては楽勝だ。
こうして三日目。
たどり着いた村はザーカ村であった。
ザーカ村の酋長に会に行き修業中のベルダーシュであることを告げる。
「なんと珍しい。流浪の旅人ではなく現役のベルダーシュじゃと!?」
この旅はいいこともあった。
普段会えない別部族のベルダーシュの交流も出来たからだ。
運が良ければ自分の部族が知らない魔法を教えてもらうことも出来た。
馬に乗れないロインは小動物を操って車で移動するというアイデアまで教えてもらうことまで出来た。
小動物とはイノシシである。従順なイノシシがロインを背負って運ぶ。
別の村で馬をおとなしくさせる魔法を教えてもらった。こうしてロインは馬に乗れた。
旅の距離が格段に増した。
ロインの旅はこうして始まった。
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