女神から広告ガチャのスキルを貰ったのに、当たりが出ないんですけど!!??

何田鯉津

話を聞かない女神に会いました。


「お前、またSSSレア当たったの!?しかもスパッツプリンセスとか!!」

「せやで。」


「えー、マジかよぉ…。俺が狙ってたやつぅ…。」

「すまんやで。」


「ムカつくからその口調やめろ。」

「ウス…。」


 目の前で携帯を片手に悔しがっているのは、友達のヒロキだ。

 こいつがなぜ悔しがっているのかと言うと、こいつがやっていたゲーム[スキニープリンセス]と言うゲーム。略してスキプリのガチャでヒロキの狙っていたキャラを、ガチャで出してしまったからである。


「マジかぁ…。まぁわかってたことだけどな、運だけはいいからお前。」

「運だけって言うなよ!」

 そう言って俺は、鞄を抱え帰り支度をする。


「じゃあ、もう帰るわ。また明日な。」

「おーぅ…。気をつけて帰れぇ…。」

「ん?おう、バイバイ!」


 未だ悔しそうに手を振るヒロキを他所に俺は、高校を後にする。

 俺の家から近いため、すぐに家も見えてきた。




「今日は何のゲームしよっか…なぁ…?………あ?なに、ここ?」


 いつもの道が白い部屋に変わっていた。何を言ってるかわから…いやいやいや!!

「何!?ここ!?え?夢?いや、そんなことない!ほっぺた痛い!!」


 俺は頬をつねっている手を離して辺りを見回していた。すると…

「ようこそ、私の世界へ…。」


「うぉぅッ!?誰!!?」

 驚きながら声がした方は振り向く。そこにいたのは、白く光るナニカだった。


「眩しっ!?」

「私は女神です。この世界を管理する女神…。」


「女神…?いや、眩しくて見えねぇよ…。」

 目を手で覆い隠してなんとか見ようとするも、なぜか光はどんどんと眩しくなっていく…。


「アルケーディア。この世界の名前です。そしてあなたは選ばれました、異世界への旅人に。」

「えっ?うん…、えっ…?ちょっとよくわかんないっすね。」

「あなたにはこのスキルを授けます…。どうかあなたの旅路に救いをもたらすよう…。」

「はぁ…?スキルってなんすか?」


「それでは、また…。」

「はぁっ!?えっ、ちょっ…!!」


 段々と強くなってきていた光が消え、ようやく目を開けた先にあった光景は…。


「えぇ?森…?何、異世界?ちょっとよくわかんない。どうしよ…、えぇ?」


 会話の速度が早すぎて何を言ってるかよくわからなかった。

 理解ができない。異世界?何?…異世界?それとスキルとか言ってたな…。


「なんか、前にヒロキが言ってた気がする。最近異世界がキテるとかなんとか。いや、でも、とりあえず…どうしようか。」


 まぁ、森とかは好きだしな。休みの日は山とか行ってるし。とりあえず持ち物でも整理しようか?制服のまんま来たみたいだし。


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