世の中は二番煎じ三番煎じが当たり前 ラスト

 本日は、スマートフォンに至るまでの「ハードウェア」と「ソフトウェア」のお話 (後編)です。

 では、行ってみましょう♪


 ザウルス (Zaurus)の出現

 さて、平成の御代では『液晶テレビの巨人』として知られた『シャープ』さんという会社があります。

 このシャープさん、ハンドヘルドコンピュータに携帯電話の『機能』を搭載したモデルを販売します。

 それが、ザウルス。

 2000年頃に登場し、一部のコアなファンには人気がありました…。

 はい、こいつこそ『世界初のスマートフォン』でした。


 でもね、こいつは『世界初のスマートフォン』にはなれませんでした。

 理由は後述します。



 iPhoneがもたらした未来

 もはや、多くを語る必要はありません。

 しかし、一点注視してもらいたいことがあります。


 それは、スティーブ・ジョブズという男が『如何にマーケティング長けていたか!』という事です。

 2000年代のアップルさんは極めて順調でした。

 iMacを始め、あらゆる製品の斬新さと利便性の良さにファンは激増しました。

 まぁ、ニッチな会社だったんですよアップルさんって。


 ちなみに彼の販売戦略マーケティングは、「二番煎じ感を出さない!」というところでしょうか。


 iMac:

 モニターとパソコン本体を一体化し、豊富なカラーバリエーションで女性層の新たな取り込みに貢献。

 でも、モニターとパソコン本体を一体化する発想は、元々アップルさんもやっていた。


 iPod:

 当時大流行していた携帯音楽プレイヤー『ウォークマン』のカセットテープなりMDを内蔵メモリに置き換えた製品。

 カセットテープや、MDよりも遥かに大量の音楽データを運べる、という大きなメリットがありました。

 が、音楽の導入に際して、iMacなどのパソコンが必要になります。


 iPhone:

 はい、前出の『ザウルス』さんが『世界初のスマートフォン』です。

 ただ、『スマートフォン』という製品様式を決定付けたのは、『iPhone』です。

『携帯端末に電話機能を搭載した』のではなく、『電話としても利用できる携帯通信端末』として売り出した方が効いているように思います。


 そして、後を追ってGoogle さんが Android を提供し、マイクロソフトさんも windows phone という携帯電話『機能』を持たせた製品の投入に走ります。

 google さんは、自分の主戦場インターネットへユーザーを誘導するために、Android を無償提供することで、多数のベンダーの獲得に成功した。

 一方、マイクロソフトさんも、自分の主戦場OS販売を戦い抜く為に、パソコンと互換のある MS-Windows8 まで投入しましたが、惨憺たる結果を迎えています。

 結局、GoogleさんのAndroidは生き残り、マイクロソフトさんはスマートフォン事業から撤退してしまいます。


 そして、アップルさんはスティーブ・ジョブズさんの巧みな販売戦略マーケティングにより、順調に業績を重ねるとともに、事業の多極化、そして事業の集中と投資によって世界のスターダムにのし上がりました。

 惜しむらくは、スティーブ・ジョブズさんはすでに他界されているという事実です。


 ◇ ◇ ◇


 さて、ざっくりとではありますが『スマートフォン』を通して『世の中は二番煎じ三番煎じが当たり前』という事を見てきました。

 細かい部分を見れば、技術革新などにより、改善された項目はいくらでもありますが、外観を眺めることで、見えてこなかったモノも見えてくるはずです。


 眼前の事で、一喜一憂することも大切なことですが、たまには鳥のように世界を俯瞰することも、大切なことだと思います。


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 ※ウォークマン

 1980年代から販売されていたカセットテープを用いた携帯音楽プレイヤー。

 そういえば、『ウォークマン』ってば、Sony さんの登録商標だった。


 ※MD

 MiniDiskの略称。

 カセットテープの後継デジタル記録デバイスとして Sony さんが提供していた光ディスク。

 iPodの登場で、歴史の彼方に去っていきました。

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