第13話恋愛

一週間、サッカー漬けだった。改めて僕はサッカーが好きだと思った。


ベンチでずっと見てる、高木ようこの殺意めいた視線を感じた。


あらゃ?なんだよ‥‥。


怖い。


帰りのバスの中で高木は藤田の横に座った。


「あなたは、昔、サッカー選手が刺されて死んだ事件、知ってる?」


「選手候補が刺されて死んだのは知ってます。」


「あなたのプレーその人にそっくり。」


「偶然ですよ。」


「好き!大好きです。プロ選手になって下さいね。」


握手されて


僕は


ニッコリ笑って


「嫌だね!」と手のひらを離した。


「僕は僕だ!同情してどうする?その選手に失礼じゃないのか?」


高木は、大声で泣いた。


「うるさい!バカ女!少し美人だからって、マネージャーなら選手と心中するつもりで試合に挑めよ!」


え?僕、今、怒ってる?


高木が泣き止んだ。


「来年の全国楽しみにしてます!」


と言ってバスを降りた。


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