勇者断罪~ギフトが覚醒した俺は闇の軍勢を率いて魔王と共に勇者と人類に復讐する。人類には失望しているので今更謝られたところでもう遅い~

WING@書籍発売中

プロローグ

 ――勇者によって家族が殺された。


「母さん、今日の夕飯はなにー?」

「今日は川魚の塩焼きよ」

「やったぁ!」


 母の言葉に喜ぶフェイドは今年で十四歳。

 この世界の成人年齢は十六歳。

 十四歳のフェイドはまだまだ子供といえた。


「父さんはまだ帰って来てないの?」

「ええ。そろそろ戻ってくる頃じゃない?」


 母がそう言ったタイミングで、家の玄関ドアが開かれた。


「ただいま」


 そこにはフェイドの両親である父の姿があった。

 帰ってきた父へと抱き着く。


「お帰り父さん!」

「ただいまフェイド、それにアンナも」

「お帰り、あなた。今日は遅かったのね」


 母アンナは帰ってきた夫であるハンスの表情見て尋ねた。


「何かあったの?」

「少しな。食べながら話そうか」


 狩りと村の周辺警戒が父ハンスの主な仕事となっている。

 なので村周辺の変化には誰よりも敏感になっていた。

 食事をしながらハンスは今日あったことを話す。


「森で狩りをしていたのだが、魔物が少なくてな」

「魔物が少ないのは良いことじゃないの?」

「フェイドの言う通り、魔物が少ないのは村の危険が少なるならいいことだ」


 ハンスは「だが」と続ける。


「急に魔物が減るのはよくあることじゃない。魔物が減る原因がある」

「原因?」

「その原因がわかれば良かったんだが」

「あなた、考え過ぎとかじゃない?」

「かもしれないな。少し疲れているのかもしれない」

「今日は早く休んだら?」

「そうしよう」


 夕食を済ませ、ハンスは早々に寝てしまった。

 アンナと何かを話していたが、先に寝てしまったフェイドには何を話していたのかは知らない。


 翌朝、フェイドは母と畑仕事を手伝っていた。

 そのまま夕方になり、家に帰ろうとした時、村の出入り口からぞろぞろと、鎧に身を包んだ者達が現れた。

 その先頭にはフェイドの父、ハンスの姿あった。

 ハンスは騎士達の先頭に立つ男へと向き直る。


「どうぞ勇者様、こちらが私の村です」

「案内ありがとうございます」


 すると、普段見慣れない騎士達がやってきたということもあり、ぞろぞろと人が集まり始めた。

 勇者と呼ばれた赤髪の男が一歩前に出て口を開いた。


「私は『七勇者』のグレイ・ヘウレシス。現在、『祝福ギフト』持ちを探している。この村に『祝福ギフト』持ちはいるか?」


 グレイの言葉に初老の男性が答えた。


「私はこの村の村長をしている者です。勇者様の言う『祝福ギフト』持ちがいるかはわかりません。その『祝福ギフト』持ちを集めてどうされるのですか?」

「魔王軍と戦うためだ。『祝福ギフト』持ちは極めて数が少なく、持っているだけで兵士や魔法士が十人倒すのに対して、一人で百人は倒すことができます」

「なんと……」

「ですので、人類を救うためどうか協力してくれないだろうか」


 グレイは頭を下げたのを見て、騎士達も同じように頭を下げた。

 ここまでされたら断るわけにはいかない。

 そもそも、これは人類を魔族の手から守るためなのだ。

 村長が周囲を見渡すと、全員が「協力すべきだ」と言う。

 一つ頷いて、村長は口を開く。


「勇者様。それに皆様も頭をお上げください。私達に協力させてください」

「ありがとうございます。では、村の皆さんを集めてください」

「わかりました。とはいっても、もうほとんどが集まってはいますが」


 フェイドが住むこの村の人口は百人にも満たない。

 しかも辺境の村に勇者が来ているとなれば、みんなが集まっていてもおかしくはない。

 その後は指示されるがまま、一人一人が小さな板に手を乗せて『祝福ギフト』があるかの確認作業を行っていく。

 フェイドは両親と一緒に最後となった。


「やはりこの村にも『祝福ギフト』持ちはいないか」

「『祝福ギフト』持ちは希少な存在だからな。そう簡単に見つかるはずがない」

「だけど見つかっても不要だったり危なかったらやれと命令されている」

「俺はそれが楽しみでもあるが」


 騎士達のそのような会話が聞こえてきた。

 何を話しているのか理解できないフェイドだったが、それは周りも同じようだった。


「おい。それ以上はあまり喋るな」

「すみません」


 騎士達の中で立場が上だろう男が話していた部下へと注意する。

 それから少しして、フェイドと両親の出番となった。


「あの、『祝福ギフト』持ちだって、どうやったら分かるんですか?」


 フェイドの質問にゲレイは答えた。


「『祝福ギフト』持ちの場合、この板が光輝き、そこにどのような『祝福ギフト』なのかが出てくる」


 ハンスとアンナが板に手を乗せるが輝くことはない。

 つまり二人は『祝福ギフト』持ちではないということ。


「最後は君だ」

「はい」


 フェイドはゆっくりと前に出て板へと手を乗せる。

 光らないと思ったその時、強く光り輝いた。


「これはっ⁉」


 グレイもここまで来ていないと思っていたのだろう。

 光り輝いたことでグレイのみならず、両親や村人、騎士達からも驚きの声が上がった。

 当の本人はというと、まだ理解できていなかった。


「あの……」


 困惑していると、グレイがフェイドの肩を掴む。


「君は『祝福ギフト』持ちだ!」


 これで戦いが楽になる。

 そう思っていたが、グレイは現れた『祝福ギフト』を見て絶句していた。

 それもそのはず。

 魔族が多く持つ闇系統の『祝福ギフト』だったからだ。

 フェイドに授けられた『祝福ギフト』の名前は【闇の力】。

 グレイは相談することがあると言って、騎士達を集めて何やら話し合っていた。

 一方フェイド達村人はというと、喜びの声を上げていた。

 まさか自分達の村から勇者達と一緒に戦い、人類を救うことができる者が現れたから。

 だが、現実はそう甘くはなかった。

 戻ってくると、騎士達が村人の周囲を囲んだ。

 武装した集団に囲まれているのにも関わらず、村人達は不思議と思わずに喜んでいた。

 グレイがフェイドに尋ねる。


「君、名前は?」

「フェイドです」


 グレイは優しそうな笑みを浮かべる。


「そうかフェイドというのか。残念だが、君の『祝福ギフト』は闇の力を使うことができるみたいだ」

「闇の力……?」

「そう。魔族と同じ、ということだ」

「……え? 僕が、魔族と同じ? 嘘ですよね?」


 信じられないとばかりにグレイにしがみ付く。


「嘘だと言ってください!」

「残念だが事実だ。それに、このままその力を野放しにしておくには、人類にとって危険だ」

「危険?」


 そこに、父であるハンスが割って入った。


「勇者様、それはあまりにも言い過ぎではないですか? うちの子が闇の力を使ったからどうだと言うのですか。この子も人間ですよ」


 グレイがハンスへと向ける視線が冷たくなる。


「言い過ぎではない。現に、国王陛下及び連合軍の総意で、危険な力を有した者は殺すようにと命令が下されている」

「殺す……?」

「私は連合軍や王国がそんなことをしたという話は聞いていないです」


 グレイは「当然だ」と鼻で笑う。


「そんなことをしたと広まれば王国のみならず、連合軍の信用を失うことになる。だから、こうしているんだ」


 グレイが「殺れ」と命令を下す。

 すると周囲を囲んでいた騎士達が鞘から剣を抜き放ち構え、近くにいた者達を次々と殺し始めた。

 血が地面を染め、悲鳴が響き渡る。

 一瞬で村は地獄と化した。


「それでも勇者なのか!」


 ハンスは持っていた剣をグレイへと突き付ける。


「ああ。俺は勇者だとも。だが、一方的に弱者を嬲り殺すのもこれまた楽しい」

「勇者じゃなく、狂人だな。そっちが本性だったとは」

「何とでも言えばいいさ。どうせお前達はここで死ぬ運命なのだから」

「父さん!」

「いいからお前は母さんと逃げ――がぁっ⁉」


 ハンスの右腕が斬り飛ばされ、血が噴き出した。

 思わず地面に膝を突き、斬られた腕を抑える。

 血はダラダラと流れ出し、死ぬのは時間の問題といえた。

 それでもハンスは立ち上がり、剣を構えてフェイドとアンナの方を見て逃げるように叫ぶ。


「俺のことはいい! 二人は逃げるんだ!」

「でも!」

「いいから早く!」

「逃がすと思っているのか?」


 ハンスが剣を握りフェイドと妻であるアンナの前に立つ。

 そして握り締めた剣をグレイへと突き付けた。


「何のつもりだ?」

「守るためだ」

「実力差が明らかなのにか?」

「そうだ。子供を守るためだ。たとえ相手が勇者だとしても、我が子と妻を守るためなら戦う」

「虚しい正義だ」


 ハンスは叫ぶ。


「いいから早く逃げろ!」


 ハンスがグレイへと斬りかかったが騎士が割り込む。


「邪魔だ!」


 ハンスは立ちはだかった騎士を切り伏せる。


「ほう。田舎者にしてはやるようだ」

「伊達に魔物を相手にしてないからな」


 次々と立ちはだかる騎士を斬り捨て、グレイへと迫る。

 チラッと後ろを振り返ったハンスは、フェイドとアンナが包囲を抜けて逃げたのを確認して安堵した。

 グレイへと斬りかかったが避けられ、蹴り飛ばされたことで地面を転がる。

 周りの村人はほとんどが殺されており、全滅も時間の問題といえた。


「そんなに妻と子供が気になるか?」


 手のひらを逃げるアンナの背へと向けた。


「や、やめろ!」


 この後の展開が脳裏を過ったハンスは、自然と駆け出していた。

 そのままグレイへと斬りかかるも、抜かれた剣によって弾かれ地面を転がる。

 歩いて来るグレイは目の前で立ち止まると、その腹部へと剣を突き刺した。


「――がはっ……!」


 口から血が吐き出され、剣が突き刺されたところからは血が流れ出る。

 治療しなければ、あと数分の命といえる。


「よく見ておけ」

「やめ、ろ……!」


 手を伸ばすが、届くはずもなく無慈悲に魔法が放たれた。

 放たれた火球がアンナとフェイドの背後へと迫る。


「避けろ!」


 最後の力を振り絞って叫んだ言葉に、アンナが反応する。

 ハンスがやられているのを見て辛そうな表情になるも、その言葉を無下にするわけにはいかない。

 せっかく命を賭して稼いでくれた時間なのだ。


「フェイド、危ない!」


 アンナはその背を強く押してその場から飛ばす。

 背中を押されたことでフェイドは無事であったが、背後に熱を感じ悲鳴とも言えない声が聞こえて振り返った。

 そこには背中が焼けて、俯けに倒れる母の姿が目に入った。


「母さん! 父さんも!」


 フェイドの叫びに、二人は告げる。


「いいから、今は逃げるんだ……!」

「フェイド、あなただけでも逃げて……!」


 アンナはフェイドの頬へと手を添える。


「母さん、父さんも……」


 フェイドの目に涙が溜まり流れ落ちる。

 そんなフェイドに、アンナは優しく告げる。


「フェイド、今は逃げて。そして、幸せになって」


 ゆっくりと立ち上がったアンナは、フェイドを跳ね除ける。


「逃げなさい!」


 そして逃げようとしたフェイドの正面に騎士が立ちはだかる。


「あ、あぁ……」


 フェイドは恐怖で声にもならない声を上げる。

 騎士はフェイドを蹴り飛ばす。


「あがっ⁉」


 地面を転がるフェイドにハンスが近づき、掴み上げて顔を上げさせた。

 フェイドの目に、最後の村人が殺された場面が映り込む。

 そして、今にも死にそうな両親の姿が目に入った。


「父さん! 母さん! は、離せ!」


 暴れるが勇者を相手に力で勝てるはずがない。

 ハンスはフェイドに告げる。


「最後の別れは済ませたか?」


 ハンスの手のひらに炎が灯り、二人へと向けられる。


「フェイド、すまない……お前の成長を見たかった」

「愛しているわ。どうか、生きて……」


 グレイの口元が吊り上がり、二人へと魔法が放たれた。


「やめろぉぉぉぉぉぉお!」


 放たれた炎は着弾するのと同時、大きな火柱が作られた。

 魔法が着弾する寸前、二人はフェイドへと優しい笑みを浮かべていた。

 程なくして、そこには黒く焼け焦げた父と母の姿があった。


 グレイに捕まれていたフェイドは投げ捨てられ、黒く焼け焦げた両親だった者の近くへと転がった。

 そして周囲を見渡し、現実を目の当たりにしてしまった。


「この惨状はお前が作り出した」

「俺の、せい……?」

「そうだ。お前がそのような『祝福ギフト』を持っているから家族、村人が死んだのだ」


 フェイドは地面に両手を突き、強く握りしめる。

 雨が降り始め、次第に強くなっていく。


(俺のせいなのか? 俺のせいで父さんや母さんが死んだのか……?)


 グレイに言われたことを脳内で何度も何度も繰り返す。

 そして二人が最後に見せた、いつもの優しい笑みを思い出したことで、フェイドの中の何かが切れた。


(俺のせいなんかじゃない。あれもこれも、全てこいつ等がやって来たからこうなったんだ。許せない)


 村のみんなが優しくしてくれた。

 そのみんなが無残に、理不尽に殺された。

 誰に?

 そんなの決まっているではないか。


(アイツが、アイツ等が俺からすべてを奪ったんだ……!)


 心の中でドス黒い何かが芽生える。


「許せない……」

「許せない?」


 小さく呟かれたその言葉は、グレイの耳へと届いていた。

 フェイドの前へと立ったグレイは髪を掴み上げその表情を見るが、思わず掴んでいた手を放して後退さった。


「な、なんだ、その目は!」


 思わず聞いてしまった。尋ねてしまった。

 グレイが見たフェイドの目には、深い憎悪が宿っていたから。

 だがフェイドは、グレイの質問には答えずただずっとブツブツと呟く。


「――ない……さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!」


 狂ったように何度も同じ言葉を繰り返すフェイドを見て、グレイや周囲の騎士達もその異様さに距離を取り始める。

 そして、フェイドの体の周りを黒い魔力が覆う。

 何かこれから嫌なことが起きると感じたグレイは、騎士達に命令を下す。


「早くコイツを殺せ!」


 グレイの命令に騎士達は遅れながらも殺そうと襲い掛かる。

 だが、その命令を下すには一歩遅かった。

 覆っていたフェイドの魔力が天を衝き、衝撃波で襲い掛かろうとしていた騎士達を吹き飛ばした。

 グレイはフェイドを見てまさかといった表情をし、可能性を口にした。


「まさか、『祝福ギフト』が覚醒したとでもいうのか⁉ だが、こんなにも早く覚醒するなど聞いたことが……」


 そこで一つの可能性へと思い至った。


「この状況がヤツを覚醒させたとでもいうのか⁉」


 一刻も早く殺さなければならない。

 ここまでしてしまったのだ。

 敵となれば、勇者である自分でもそう簡単に倒すことができなくなる。

 覚醒したばかりなら簡単に殺すことができると、そう思っていた。


 フェイドは、自身の『祝福ギフト』に変化があったことを感じ取っていた。

 だが、それより。

 ヤツを殺さなければ。家族を、村のみんなを殺したあいつらを許すわけにはいかない。

 俯きながらもゆっくりと立ち上がったフェイドはゆっくりと顔を上げた。

 瞬間、悪寒が襲いグレイは騎士達に早く殺すようにと命令を下した。


「何をしてる! 早く殺せ!」


 騎士達がフェイドへと襲い掛かり、グレイ自身も攻撃しようと無数の火球を出現させる。

 あと少しで攻撃が当たると思った時、フェイドは一言呟いた。


「――死ね」


 その言葉は小さかったにも関わらず、自然とこの場にいるすべての者の耳へと届いていた。

 そしてフェイドの足元から闇が広がり、そこから漆黒の槍が襲ってきた騎士達を一瞬で串刺しにする。

 まだ騎士達は残っているが、見たこともない攻撃に足が止まってしまった。

 グレイでさえ、異様な力を前に動揺していた。


「――っ! 灰となって消えろ!」


 グレイがフェイドへと魔法を放った。

 灼熱の業火がフェイドへと迫り、ゆっくりと突き出された手のひらに出現した闇へと吸い込まれて消失した。


「なっ⁉」


 立て続けに攻撃をしようとして動きを止まった。

 否。止めてしまったのだ。

 騎士達の死体が広がる闇へと飲み込まれたから。


「お前、一体何をした?」


 グレイの問いにフェイドは答えず、ただ一言告げる。


「――来い」


 すると、闇から飲み込まれた数と同じ数の、全身を漆黒の鎧を纏い、漆黒の剣を携えた騎士がフェイドを守るように現れた。

 フェイドは現れた漆黒の騎士へと命令する。


「――殺せ」


 そこからは一方的だった。

 次々と騎士が殺され、殺された騎士が闇に飲み込まれて漆黒の騎士が増えていく。

 グレイは倒しても復活する騎士を見て、フェイドの力は死んだ者を力として取り込み、戦力として生み出すことができると推測する。


「このまま放置しておくには危険だ」


 グレイの体から魔力が噴き上がる。

 そして手のひらを向けると、巨大な火球が出現して漆黒の騎士達を燃やし尽くす。

 気付けば雨は止み、グレイが歩を進める度に地面が融解する。

 背後には炎の龍が佇み、フェイドを睨みつけている。

 これが、グレイが【劫火】と呼ばれる所以だった。

 今の自分では倒せないと判断したフェイドは逃げることを選択した。

 グレイはフェイドが逃げると知り睨みつける。


「逃がすと思っているのか?」

「何としてでも逃げてみせる」


 フェイドは逃げようとし、グレイへと言い放つ。


「俺は、俺からすべてを奪ったお前を決して許さない。いいや。こんなことを許した王国も勇者もだ。この手で必ず殺してやる!」

「人間すべてを敵に回すと言っているのか? それができると思っているのか?」

「復讐のためなら俺は全てを敵に回す」

「出来るものならしてみせるといい」


 フェイドは再び漆黒の騎士達を呼び出す。


「――時間を稼げ」


 逃げるフェイドを追おうするが、行く手が阻まれる。

 倒しても次々と現れキリがない。

 森へと走り去ったフェイドの姿が次第に小さくなっていき、程なくして見えなくなった。


「くそっ!」


 姿を見失ったことで悪態を吐くグレイ。

 漆黒の騎士達は消えるも、見失ったフェイドを今から追うことなどできない。

 グレイは諦め、ミスレア王国の王都へと、報告するために帰還することにした。

 その後、今回の件を報告したことでフェイドの力を危険視した国々は、『人類の裏切り者』として指名手配することにした。

 だが、フェイドの情報は入ってくることはなかったのだった。

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