りノエル

第12話 再び列車へ


「はっ!」

目が覚めるとそこは、あの列車の中だった。

「目が覚めた!?」

心配して未だに胸ぐらを掴み、揺らしてくるのは久しく見るルフエルだった。

「創夜くん!この列車から落ちたのは分かる!?」

「分かるよ?分かるから落ち着いて!!」

声を荒らげるルフエルを宥めながら起き上がる。

「すぐに落ちた世界を見つけて列車を走らせたよ……」

「音なんも聞こえなかったけどそうなの?」

来る時にくるメロディが無い事に疑問を持つ。

「あれは結構余裕があると流せるものだし、遊び心で作ったものだからね、普通、死んだらもう乗れないし、ちなみに今回は私が乗せさせたよ」

「なるほど、死んでからじゃなくて死ぬ直前の直前なのね、ってかリノエルは?」

「リノエルならいるよ、基本的に運転席から離れられないから、会いたかったらこっちから行かないとダメだよ。」

そう言われたので立ち上がって、運転席へ向かう。



「リノエル??」

運転席に着くとリノエルは震えながら泣いていた。

「本当に良かった!!生きてて!!本当に良かった!!」

嗚咽と共にそうリノエルは言った。

「照れるってやめてよそれ、まぁ俺もここに戻れて良かったよ」

「そ、そ、それじゃあ、運転を再開する、するよ?ひぐっ」

「落ち着いて!」

とにかく生きてて良かったらしい、そう言われるとなんだかとても嬉しい。


しかし、ルフエルよりも圧倒的に泣いていたけど、よっぽど心優しいのかな?


次回「リノエル」

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