サクラサク。

@Blue-Berry

プロローグ サクラサク

気付いた頃には、物理的にも心理的にも遠い存在の人になっていた。


残っているつながりは、もう「同じ志望校」と「同じ学年」いうものだけ。


クラス替えで教室も違うフロアになり、全く会えない日々も続いている。


きっと、俺がどんなに想っていたとしても、俺に全く興味がないあいつは気付くことはないだろう。


でも、それでも、春にはきっと「サクラサク」――いや、なにがなんでも咲かせてみせる。


冬の間は吹雪が吹いたり、記録的な大雪になったりして、開花が遅くなってしまうかもしれない。


でも、一年間、できることはやりつくすと決めた。


受験だって、恋だって、満開にできるように――。

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