②恋人じゃないです、双子(養子)です!【カクヨムプロットコンテスト】
星宮コウキ
プロット
題名案:「
○あらすじ
ある日、両親から「実は二人には許嫁がいるんだ」と告げられる。初めて離れて生活する二人は日常生活に苦労し、それを経てお互いに対する特別な感情を自覚する。
○参考作品
「義兄妹ラブコメもの」×「ノーゲーム・ノーライフ」×「ニセコイ」
主題は義兄妹の双子による青春共依存ラブコメ(W主人公)。この二人は「ノゲノラ」の空と白のように、依存しあっている。そんな二人それぞれに許嫁がいると知らされる。「ニセコイ」のように両親には仲良くやってるように見せつつも、自分の本当の気持ちと向き合っていく。
*漆畠兄妹の依存度合
明日美が非力すぎて、明日翔が超過保護。それでいて明日翔は明日海の存在がメンタルの支えになっている。
一人でいると怪我しかねないので、高校生になった今でも一緒にお風呂に入っている(物語開始当時)。
*なぜ兄妹じゃなくて双子の理由。
明日翔と明日海は、生まれた時から兄妹として育てられてきた。一族は代々女性の体が弱く、明日海も例外ではなかった。幼少期、明日海に厳しく指導する母親を見た明日翔は、父親の言いつけを破って付きっきりで看病をする。
「私に構っていると、お父様に怒られますよ。放っておいてください」という明日海に対して、明日翔は「同じ家で育った双子じゃないか。友達が増えたって恋人ができたって、何があっても明日海は俺が守る」と約束する。血のつながっていない養子であると早々に伝えられていた明日海は明日翔に本当の意味で心を開くようになり、明日翔は常に明日海のために行動するようになる。
この約束は、二人を双子という関係に縛り付ける呪いとなる。
○キャラクター
・漆畠 明日翔
16歳。幼少期から明日美の世話をして生きてきたので、今でも世話を焼く。視界に明日美がいないと落ち着かなくて、他のことに思考が回らなくなる。
父親の大手会社を継ぐように言われて育てられている。「私の息子としてふさわしく生きなさい」と言われ続け、行動を制限されている(トラウマ)。
妹への愛情は異常。
カルマヘアの黒髪。流行には疎いので、髪型も私服も明日海に選んでもらっている。明日海的に、伊達眼鏡をかけた時の明日翔が『ヤバい』らしい。
・漆畠 明日海
16歳。幼少期体が弱くて、明日翔に色々と助けられてきた。ある程度一人で生活できるようになってからも、日常的に兄に任せすぎてできないことが多い。
生まれた時に遠縁の漆畠家の養子となった。養子であることもすでに母親から伝えられ、親の愛情を感じないまま家業の勉強を受けている(トラウマ)。
兄への愛情は異常。明日翔に誕生日にもらった星のヘアピンを、宝物のようにずっとつけている。
『濡れたカラスの羽根よりも艶やかな』黒髪ロングで、清楚系の私服を着る。母の教えで丁寧な言葉を使う。でも、まだたまに口調が崩れるときがあり、明日翔的にそこが『萌え』らしい。
・
明日翔の許嫁。明日海の実母と関係があるようで明日海を目の敵にしている(トラウマ)。
湊の元恋人。
・
明日海の許嫁。親の会社を倒産させた漆畠家の長男である明日翔を憎んでいる(トラウマ)。
まひなの元恋人。
・
明日海と明日翔のクラスメイトで、仲良し集団のリーダー的存在。おおらかな性格で、やりすぎと言われるほど気を遣う優しいクラスの委員長。
・
明日翔と明日海のクラスメイトで、飄々としたクラスのお調子者。その裏では気を配り、孤立しそうな明日翔を助けるクラスのムードメーカー。
・漆畠家、父
大手会社の社長。明日翔に後を継がせようとしている。会社の恥にならないように、明日翔の行動を見張っていたり制限したりする。自分も会社を継ぐ際に同じような境遇で育ち、それで自分は成功している(トラウマ)。嫌ってるわけではない。
・漆畠家、母
華道の名人。体が弱く明日翔しか産めなかったので、遠縁のたまたま同じ日に生まれた子を養子に引き入れた。明日海の体も弱く自分を重ねてしまい、強く当たってしまう(トラウマ)。嫌ってるわけではない。
〇章あらすじ
三幕6章構成
一幕
1章
高校の入学式。期待に胸を膨らませ、新しい制服に身を包む新入生たち。そんななか、腕を組みお互いに体重を預けあって歩いている男女がいた。すぐに一年生どころか学校中に噂が広まった彼らは、名門漆畠家の双子・明日翔と明日海だった。
明日海の母親の容体が急変し、生まれてからすぐに漆畠家に引き取られることとなった。それぞれの家業を継ぐために、優秀な子供に育ってもらうために二人は名付けられた。
明日翔は、大手「漆畠グループ」の後継ぎとして育てられてきた。
明日海は、華道の稀代の名人の娘として英才教育を受けてきた。
そんな二人は幼少期に双子になり、お互い支えあって生きてきた。
明日翔と明日海は同じクラスになった。
オリエンテーションが行われるなか、二人の距離はとても近い。明日翔の過保護に、明日海がうんと甘える。
「二人とも、恋人みたいだね」というクラスメイト達。それに対して明日翔と明日海は「いやいや、双子だから」と反論する。その言葉に嘘はない。
2章
授業初日にあった、男女が別になる体育の授業。
明日海は明日翔のことについて、仲良くなったクラスメイト・伊嵜野乃花たちに質問攻めされる。曰く、明日翔は顔が良くていろんな女子から人気があるらしい。(そうなのかな……?)と疑問を抱く明日海。少しもやっとしたものが残る。
幼少期ほどではないにしても定期検診に行くくらい体は弱いため、控えめな運動をしている。球技で転がったボールを取りに行くと、そこに一人の女子が立っていた。その子に乱暴にボールを渡され、さらに明日海を睨みつけてきた。
物覚えの良い明日海は、彼女が隣のクラスの幡鎌まひなだと気づく。
また、明日翔は明日海以外の人に深く仲良くなるほど接しないので孤立気味。そんなとき、過去に一度面識のある左村湊が現れ、面と向かって「お前の父親の会社のせいでうちの親父が倒産した。お前を許さない」と告げられる。湊は男子の中でも人当たりがよく、周りには何人も友達がいた。
いわゆるクラスカーストの上位の人たちに敵視された明日翔。そんな明日翔に声をかける一人の男子学生・南条玲生がいた。「漆畠グループのご子息ってだけで、君は何も悪いことしてないのに大変だねぇ」と言って、明日翔と友達になろうと言い出してくる。明日翔は興味があるわけではないので、玲生のことを適当に流す。しかし、明日翔は悪い気はしていなかった。
明日海は、まひなに強く当たられる理由がわからない。が、直接的な害があるわけでもないので明日翔には相談しないでおく。
一方明日翔は、玲生にダルがらみされながらも、湊のことを気にせずに、明日海に迷惑のかからないように過ごしていく。
二人とも落ち着いた普通の学生生活を過ごしたいため、どうにかできないと悩む。それぞれの話を聞いた玲生と野乃花は、新学期初日で目立ち過ぎたからかもと伝える。
二幕
3章
学校が始まり一週間が経った。いつものように、一緒にお風呂に入っている明日翔と明日海。
思い切って、今悩んでいることも含め近況報告しあう。「そんなに私たち変かなぁ」「控えた方がいいんだろうか」、そんなことを背中を流しあいながら話し合う。けれど二人はすぐに結論にたどり着く。
周りに合わせる人用なんてない、二人が一緒にいれば何も怖いものはない、と。
週明け、明日翔と明日海は普段と変わらず生活する。明日翔は過保護に、明日海はそんな兄を頼る。一週間も経てば見慣れてきた人も多く、「恋人みたい」と噂をしたり騒ぎ立てたりする人も少なくなってきた。
湊もまひなも特別何かしてくるわけではなく、明日翔と明日海は仲良く過ごしていく。
高校生活が始まってゴールデンウィークがやってきた。明日翔と明日海は、友達に誘われて何日か遊ぶことが決まっていた。そんな休み初日、明日翔と明日海は両親に呼び出された。
仲が悪いわけではないが、お互い自分の仕事最優先で淡泊な関係(に二人からは見えている)な父母がそろうことは珍しい。明日翔も明日海も不審に思っていると、両親の口から驚きの事実が告げられる。「二人の今後のことも考えて、見合いをセッティングした。許嫁として仲良くしてくれ。今みたいに兄妹でずっとべったりしてるわけにもいかんだろう」、そう告げられた明日翔と明日海は、それぞれ別の部屋に案内される。お互いに離れて、不安と相手の心配でいっぱいになる。
4章
父に付き添われて明日翔の案内された部屋には、まひながいた。まひなの家族は漆畠グループと関係があり、商業的協力の面も含まれていた。明日翔にとっては初対面で、親の前という手前、お互いに当たり障りなく接する。そしてお互いの親がいなくなった時、明日翔がまひなに話題を振ると、「あんたと慣れあう気はない」と言われる。その瞳に湊と同じものを感じ、明日海に何かないように警戒しようと決意する。
母に付き添われて明日海の案内された部屋には、湊がいた。湊の家への資金補助する代わりに、家業の安定のために輿入れするというものだった。明日海はなんとか仲良くしようと積極的に話しかけるが、湊の返答にはなんだか中身がない。諦めない明日海に対して、親にばれないように湊は「明日翔だけじゃない、お前もそうだ。漆畠は絶対に許さない」と、復讐心を持ってることを理解する。
明日翔と明日海が友達と遊びに行く日。両親に「せっかく同じ学校なのだから、一緒に行ったらどうだ」と言われ、それぞれの許嫁も連れて行くことになる。
野乃花や玲生と合流した明日翔と明日海は、お互いの許嫁が知ってる顔(しかも印象悪め)であることに驚き、余計にお互いが大丈夫か心配になる。しかしそれ以上に、湊とまひなが顔を合わせた瞬間にお互いを避けはじめ、明日翔と明日海はそれぞれの対応で離れて行動することになってしまう。そして、湊とまひなが、盛大に喧嘩別れした後の元恋人だと知る。
交友を深めるための会だったのに、ぎくしゃくした感じで終わってしまった。野乃花と玲生に謝りつつ、明日翔とまひな、明日海と湊に分かれて帰ることになる。
明日翔はまひなを家に送りつつ、お互いに少しだけ打ち明け話をする。まひなが湊を嫌う理由を聞き、許嫁を解消してもらうとまで言い出す。明日翔は、湊を嫌うのは勝手だがそれで明日海にまで迷惑がかかるようなことをするなと説教する。そんな明日海への思いを聞いたまひなは「養子の兄妹って聞いたけど、本当に付き合ってないの?」と聞かれる。それに対し明日翔は「双子だからな」と答える。明日翔は、自分の思いを見つめなおす。
明日海と湊は途中まで共に帰る。明日翔たちと同じく喧嘩した経緯を話した湊は、家の恨みだけではなく、明日翔と明日海を見ていると過去の自分たち(湊とまひな)を見ているようで嫌だと告げる。それに対して明日海は「私たちは家族も恋人も超えた“双子”だから、一緒にしないで欲しい。そんなしょうもない理由で離れたりしない」と言い放つ。そこに明日翔が明日海を迎えに来て、二人は仲良く帰っていく。そんな二人の後ろ姿を見て、湊は「俺たちよりも……。だれよりも
三幕
5章
帰り道、明日翔と明日海は無意識にいつものように腕を組んでくっついて歩く。お互いに自分の本心とまともに向き合ったため、まひなと湊に言われた“恋人”という単語を妙に意識してしまい、ぎこちない時間が続く。その様子は、傍から見たら初々しいカップルそのものだった。帰ってから二人は別々にお風呂に入った。
落ち着いた後に二人は相談し、湊とまひなの仲直りさせようと考える。
休み明けの学校で、いつも通りくっついて過ごす。許嫁という顔がある以上、湊とまひなは渋々一緒にいる。明日翔と明日海がいつも以上にイチャイチャして二人の世界を作ってるなか、湊とはすみは少しのことで言い合いを始めてしまう。
そこで二人だけでは無理だと思い、明日翔と明日海が仲裁に入る。それぞれの許嫁と二人で打ち明け話したときの本心をなんとか引き出し、湊とまひなは書く仕事なく向き合った。
6章
本心で語り合った湊とまひなは、お互いに涙しながら崩れ落ちた。もう二人きりにしても大丈夫だろうと、明日翔と明日海はその場を離れる。
翌日、同じように明日翔と明日海、湊とまひなの四人が一緒にいた。お互い腹を割って話したものの、復縁したわけではなく、むしろ家のためにも許嫁を続けるつもりらしい。困惑しながらも、ゴールデンウィークの時のように離ればなれにされずに済んだので、一件落着。
明日翔は自分の腕に抱きついて楽しそうな明日海を見て、「俺は、この笑顔が守れればそれでいい」と、妹を守る決意を新たにする。
明日海は自分にしか見せない明日翔の笑顔を見て「やっぱり私はこの人が――」と回想、何を考えているんだと赤面し明日翔に顔を見られないようにする。
そんな二人を後ろから見守る湊とまひな。
歪な関係の四人の日常が続いて行く。
(完)
〇二巻の内容(予定)
季節は夏が近づき、学校では文化祭の準備が始まる。
それぞれの許嫁同士の距離が縮まる(心を許したというよりも、腹を割ったので遠慮が無くなった)。一緒にいることも多くなり、徐々に打ち解けて仲良くなっていく。
自分の気持ちをはっきりと自覚してしまった明日海は、いつものように振る舞えなくなってしまう。その様子に気づいた玲生と野乃花は、明日海を応援しようと奔走する。
一方明日翔は、父親から本格的に後を継ぐ話と結婚時期の相談の話を持ち掛けられていた。明日海の思いに答える形になるのか、明日翔の決断が迫られる。
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