第22話悪

 悪漢、悪寒、滑り込む、悪の獣性。

 死してなお、とりとめもなく、叫ぶ銃声の、悲鳴。

 小鳥よ、小鳥。

 君がどんなに、苦しみ、泣こうとも、死者を弔う俺がいる。

 君のわがまま、いたいけな姿。

 どんなに、暗く、すさむ、絶望に立たされても、死の先には、君のあこがれた世界がある。そう思えば、そう思えてくる。

 ロマン。

 美しい瞳。

 きつい香水

 それから、日常。

 悪の獣性

 止められぬ偽善者の悲鳴。

 ロマンでも、ロマン。

 俺にもある。嘘偽りなく、しかし、実行者は、本当の悪漢。

 祈ろうともどうしようとも、君は、真の心を取り戻さなければいけない。

 気軽に人は殺せない。

 気軽に殺した人間は、反省しようとも、地獄へ行く!

 そうなりたくなければ、祈るのではなく、行為しろ!

 すがるのではなく、闘え。

 ごまかすな。ごまかしても、神は見ている。

 今が、幸せ?否、過去の十字架をおうことが、真の幸せ。

 生きることは間違いだらけ。

 しかし、矛盾のない人間はこの世にいない。

 嘘をつき、心を痛め、身近なものを愛し、遠くのものを虐げる。

 言葉と行為は、一致しない。

 俺は、偽りをはかない。

 でも、はかなく散っていった乙女たちを本当に愛している。怖くても。

 悪と正義。 

表裏一体。

 表面的な言葉が滑っていく、顔も知らない人々の。

 愛よりも深く、恋よりも遠く、死は一番近くにいて、君を待っている。

 死したるものは、もうそれ以上進めない。

 息をする者は、息をし続け、いつか罪は許される。そのためには募金はいらない。

ただ懸命に守る者のためにだけ生きればいい。

俺が知っている死者は、孤独のうちに耐え、俺のところへやってくる。

ストーリー

仮装の下に散らばる命のジュエル。

独走し、黙とうしても、死は訪れる。

俺にはわからないけど、心が、痛むんだ。

死者の苦しみが、俺を急き立てる。

生きろ生きろと。

エゴイズムでいい。

何とか生きてくれ。

俺は、死者とともにあらねばならない。

生きたい。でも、生きさせないなにか、それはきっと神だ。

曖昧なままで、歌い続ける。

別れ。

人は罪を犯す生き物。

告解ではない。

宗教ではない。

イエスだ。

俺はイエスと共にある。

君は、家族とともにある。

今を生きてくれ。

神様とのやり取りは、俺がすませる。

しびれる心。しびれる体。

さようなら、乙女。

君の幸せを願って、天のマグダラのマリアが、微笑むよ。

もうお行き。

きっと、君を神様が救ってくれる。

死者は魂で語るのではない。

444の数字が並んで、俺は逆説の悪を生きる。

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