第13話感覚の処女

 逆光に生える黄昏時、生きる意味を模索する詩人は、歌を聞いた。

 激しく、ぶっ壊すような、感覚の処女。

 マフラー、霧のような夕日。さざめく、なびいていく、光のトーン。

 行きつく先に、悩む、心の鮮烈な少女。

 通り過ぎていく、ただ、通り過ぎていく。

 微かな感傷的なパヒュームを残して。

 逆光に生える黄昏時、生きる意味を模索する詩人は、夢を見た。声を聴いた。

 天使の落日、王の誕生。ときめきのマジックで、落書きをしたヘイトするマシーン。

 がつがつがつ、くらいついていく、貪欲な詩作者。

 マシーン。

 感覚の処女を貫くたけり狂ったヘイトマシーン。

 落日の天使とはすなわち、君であり、王とはすなわち爆発誕生のヘイト。

 言葉の黄金化。そう、言葉は詩人の、切ない、ただよう、光りゆく処女か。まるで夢を見る詩人そのものだ。

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