第10話黄金

ハムナプトラに眠る金。採掘していく、ゴールドラッシュ。

搾取、搾取、搾取、絞り取られた、命の接吻。そして、深い底に眠っている、黄金のヴィーナス。閃きはジーニアス。宇宙はスペードのエース。

速い、速い、速い、肉体におぼれたビリーザキッド。プリンセスは実を売って、バタイユ的な、逆説の神に身を売る。鳥がトンビ、それから、高速のエネルギーの虐殺。「あいつは軽い」と学者が言った。俺は返す、「お前が軽い」と。権威づいた馬鹿ッ面な阿呆たち。眠れよ眠れ、ベッドに横になって、安らかにドル札を数えながら、眠れ。「女は呟く。あなたの情念を愛してる」俺は答える。「俺は君の肉体以外は、愛せない」「嘘でしょ」すると、順接的な神はこう言った。「詩人の眼の奥に眠る詩人の眼は、単細胞にはわからない」すると、呼応する。「ひゃひゃは!」片輪の猿どもが笑う。猿が見ているものは、安らぎと平安。しかし、その陰で泣いている孤独な人の気持ちはつゆ知らず。これを何と呼ぶ?

「偽善者」と呼ぶ! 順接的な神は、悪人を愛した。しかし、悪人は、偽善者とは違った。律法学者が、うそぶく。「へへ、うへへ、俺の権威に文句があっか?」すると、詩人がこう言った。「ある一点。ある一点において、人はまじりあいそれ以外は虐殺していく」

真実、絶句、それから劣情のアクメ。清らかな乙女、オオカミ。オオカミは、巧みに人を誘導し、喰らっていく、そう集団で。女はこう言った。「かわいそう」そう、その言葉を、オオカミは待っている。劣情に同情はいらない。女よ。オオカミを打ち砕くには、牙がいる。それがないのなら、腰をふる。起伏の連続。中に、中に、中に、逆説の神は、こう言った。「言葉はポップでも、優しくなれ」すると順接の神はこう返す。「真っ正直に生きろ」

女はこうつなぐ。「争いはやめて」ヒロイックな幻想はやめてと、オオカミが言う。みんなが一斉にこう叫ぶ。「愛は一つ!」そう愛は無限だ。

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