第206話
◆
何か、物凄く嫌な気がするというか、裏で今すぐにでも止めなければならない事が起きているような気がするのだが、それが一体何なんか分からなければ、そもそもただの勘違いの可能性もある為一体どうすれば良いのか。何かをするにしてもどうやってこの不安の原因を突き止めるべきなのか悩みながら朝食を取り、登校の準備をする。
「どうしたんですか? なんか顔色が悪い気がするのですが……」
そんな俺を見て聖女ヒルデガルドは心配そうに俺の顔を覗き込みながら聞いてくる。
「いや、何でもない」
そして悪い予感を追い払うかのように頭を振ると、何でもないと返事をすると、学園について思考を切り替える。
俺の学園なのだがここ最近、日に日に俺へ取り繕うとしてくる生徒が多くなっており、そろそろ鬱陶しいと感じるようになってきたのでそろそろどうにかしようかと思い始めている。
恐らくあの日来ていた貴族連中が子供に対して、あの日の事を伝えなくとも『カイザルとは仲良くする事』または『カイザルには歯向かわない事』などという事を伝えているのだろうという事が窺えてくる。
それは仲良くしていれば利になるからという訳ではなく『もし子供がカイザルへ失礼な態度をとって次のターゲットにされたくない』という恐怖心からであろう。
そもそもあの日は『俺につきあうと利になる』というんではなく『俺にちょっかい出すと弟と同じようにぶっ潰すぞ』という脅しを含んだパフォーマンスであったのだが、だからこそより一層俺から離れていき、平穏な日々が訪れると思っていた。
しかしながら蓋を開けてみると避ける奴よりも近づいて来る奴の方が多くてげんなりしているのが現状である。
そして当然その中にはリリアナを初め、俺へちょっかいをかけてくるものもいるのだからだからたまらない。
どうせ親から『カイザルと仲良くしろ』と言われたところで昨日までバカにしていた俺に頭を下げて仲良くする事などその肥大したプライドが許さずに上から目線で話しかけてきたり、親にそう言われたことによりプライドが傷つけられ喧嘩腰、またはちょっかいをかけてくるのであろう。
今までは面倒であったのだが、バカはいくら言葉で言った所で分からないだろうから俺の平穏の為にはぶん殴って言い聞かせる必要があるだろう。
ちなみに当然喧嘩腰やちょっかいをかけて来るものは漏れなく奴隷へ墜とし、俺の情報を外に流さないように命令する予定である。
そんな事を思いながら馬車に揺られていると、気が付いたら学園へと到着していたようだ。
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作品紹介(*'▽')ノ
この度新たにコンテスト用作品(「嫁入りからのセカンドライフ」中編コンテスト)へ一作品だけ参加予定の下記作品を連載しております。
※五万字前後で完結予定
タイトル
婚約破棄された公爵令嬢は罰として嫁がされた旦那様のお陰で日本(地球)の食べ物に舌鼓を打てて今日も幸せです
キャッチコピー
え? ゲテモノとして捨て値で売られているウナギを食べるんですのっ!?
あらすじ
ある日、いきなり婚約者であり第一王子でもあるシュバルツ殿下から婚約破棄を言い渡されたシャーリー。
そして罰として嫁がされた先でシャーリーの運命は大きく動き始めるのであった。
上記作品が気になった方は是非一度読んでくれると嬉しく思います('ω')ノ何卒です
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