第5話 日本語で記載された設定画面
そして俺は逸る気持ちを抑えながらステータスを出現させる。
その方法は、指先に魔力を込めて上から下へと空中をなぞる。
ただそれだけである。
この方法は、いちいちゲーム内で『ステータスオープン』と言うのも面倒である為、ステータス表示を簡潔化させ、ゲームプレイ中にも即座にステータスが見れる方法であり、これによって詠唱をしながらステータスを表示できるという利点もある。
そして、俺の予想通り目の前には俺のステータスが表示される。
既にステータスが表示される所までは確認しているため、ここまでは良い。
寧ろ問題はここからである。
俺は震える指先でステータスを操作していき、とある設定画面まで移動してとある箇所を確認する。
そこには『ステータス反映オン・オフ設定』と日本語で記載された設定画面が表示されていた。
俺はこの設定画面をみて心臓が早鐘のように脈打ち、興奮と緊張で脂汗が滝のように吹き出し始める。
しかしながら全ての項目でオフになっているのを確認して俺は、何故俺はここまで才能も無ければ伸びしろも無いのかという理由を理解する。
レベルアップした能力反映項目全てオフになっているのだから、どんなに努力しても基礎能力から上がらない訳である。
そして俺は『全ての項目をオンにする』という項目を選択する。
するとどうだ?
俺の身体の内から湧き出してくる膨大な魔力、拳で岩ですら砕けそうと思え、ドラゴンのブレスすら耐えきれると確信を持って思える身体の変化を感じ取る事ができる。
次に試すのはスキル【マップ】である。
これを行使して周囲に人がいるかいないかを一応確認するという目的が大きい。
そして周囲には人がいない事を確認してからはもう止まらなかった。
ゲームで覚えていた魔術やスキル等それら全てを夜通し試していき、気が付けば夜が明け始めており、東側の空が明るくなってきていた。
時間にして四時間ほどであろうか。
流石にそろそろ実家に帰らなければ俺が抜けだしている事がバレかねない為俺はまだまだ試していたい欲求を抑え込んで帰路に就くのであった。
◆
あれから実家に戻って二時間ほどで起床する時間なのだが、当然あんな事があった後では興奮して寝れる訳もなく、俺はステータスを表示させてその内容を隅々まで確認していた。
それでもまだ興奮は治まらず、一晩寝ていないというのに全くもって眠たくなく、寧ろ思考は冴え渡っている。
この俺の力でどうやって今まで俺をバカにして来た奴らに復讐をしてやろうかと、ステータスをながめながらそんな事を思っていると、部屋の外から弟の下品な笑い声が聞こえてくる。
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