第50話 宿題会
夏休みも中盤に差し掛かり予定通り宿題会を富咲の家でやることになった。
ちなみに進捗状況としてはさくらが全て終わらせていて、富咲も大体終わっている。この2人がツートップ。
一方のヒデは当然何もしてない。何もしてない。
そしてもう一人のワーストは…
藍「おい…奏…どういうことだ…?!」
奏「いいじゃん!今日やるんだから!!!」
藍「人頼みすぎるだろ!ワースト2はヒデと菜乃だと思ってたぞ!?」
菜乃「待って、なんか私も被弾してる」
ルナ「里香はちゃんとやってるのか?」
里香「半分くらいは終わってますよ」
ルナ「その半分って理系科目だろ?」
里香「…」
ルナ「だそうだ」
里香「何も言ってない…」
さくら「沈黙が全てを語ってました」
富咲「さっさとやり始めようか。クーラー効いてるし、暑い~みたいな言い訳禁止ね」
こういう時の富咲は頼りになるけど意外と怖いよな…
ていうかあのメンツで動物園や遊園地に行ってたくましくなったか?
さくら「菜乃がまとも側とかいうメンツでしたからねえ…」
藍「うん、そうだね~」
驚かなくなってきたぞ…
さくら「さてと…この馬鹿どもを救いますか…」
藍「バカを増やしてごめんな」
奏「お兄ちゃん!?」
さくら「奏ちゃんって宿題はやってないですけど頭悪いんですか?」
藍「…」
さくら「何で黙るんです?」
奏「ふふん、割と成績は良いんだよ~」
富咲「そうなの?」
さくら「へえ…」
藍「こいつ…無駄に地頭がいいんだ…勉強あまりしてないのに…それなりに良い点とってくる…」
奏「へへ~」
さくら「ならこの勉強会に来なくても良かったのでは?」
奏「いや!遊びたいじゃん!」
藍「遊びに来たんじゃないぞ?」
ヒデ「前のゲームやるか?」
奏「やる~」
藍「やるなバカ!」
とっさにひっぱたいてしまった。
富咲「セバスチャン、やっぱ鍵かけてくれる?この部屋に。何か用があるときは呼ぶから」
セバスチャン「御意」
セバスチャンがこの部屋から出ていき…
ガチャ
鍵をかけた。
菜乃「え?」
富咲「多分こうなるだろうなとは思って準備してたんだけどさ…やっぱそうなるよね」
藍「この部屋だけかなりシンプルでテレビみたいな物が少ないなとは思ってたけど…なるほどね」
富咲「うん、課題集中用で机といすだけのシンプルな部屋だよ。しかも外から鍵もかけれるし。飲み物とかはあるから」
自分の家でこんな部屋を用意できる時点で素晴らしいが…
藍「菜乃、ヒデ、奏がすごい顔してるぞ」
そんなに悲しそうな絶望的な顔をするか…
奏「何のために今日来たと…」
藍「課題のためだよ」
ヒデ「家ぶっ壊して…」
富咲「弁償させるよ?」
菜乃「さ…さくらちゃん…」
さくら「課題やりましょうね」
ここまで状況が整ったら流石にやるしかないだろう。
みんな課題に取り組み始めた。ちなみに俺もそこそこ余裕はあるができれば今日ここで仕上げてしまいたいところである…つまり…
さくら「ヒデ君、違います。まだ2問目です」
富咲「あっ本当に奏ちゃん頭いいじゃん…解くのも早いし」
監督役は今のところこの2人しかない。
富咲「藍君も地味にまだなんだね」
藍「いうてある程度はやってるぞ?夏休み中旬にほぼ終わらせてる2人がおかしいんだ」
ルナ「全くだな」
富咲「ルナさんもあんまり進んでないよね?」
ルナ「…忙しいんだよ!!!」
ルナに関しては本当に忙しそうにしている…今日出来るだけ進めれることを祈ろう。
それからはもくもくと宿題を進めていった。ヒデや菜乃もさくらにしごかれながらなんとか進めている。里香は…また漢文でつまずいてるのか…
富咲「藍君?周り見てない?少し進み遅いよ~」
藍「げ!?まじ?」
富咲「うん、意識逸れてる」
奏「お兄ちゃん一本集中~」
藍「部活か」
富咲「さっこーい」
藍「おい…」
ヒデ「次々~!」
藍「ヒデまで…」
さくら「ヒデ君、次の問題行かないでください。間違ってます」
ヒデ「え?」
藍、奏「「あははは!」」
流石のオチ要因だなあ…
藍「ごめんごめん、集中しよ」
と言ってもそう簡単に、すぐ集中できるものじゃない。いったん切れた集中を取り戻すのは何気に大変なものだ。
さくら「少し集中切れちゃいましたか?」
目ざとくさくらが声をかけてきた。
藍「少しね、まあ課題進めるくらいは出来るよ。難しくないし」
ヒデ「わかる集中切れるよな~」
さくら「ヒデ君は集中してないでしょう」
藍「一緒にすんな」
菜乃「辛辣」
ルナ「テンポが芸人」
奏「お兄ちゃんキレキレじゃん」
富咲「課題終わった人からケーキあるよ」
「「「「「「「!!!???」」」」」」」
これは分かりやすく人参がぶら下げられた。そしてこれはとても効果があるだろう。
このメンツなら。
奏「頑張る」
ヒデ「すぐ終わらせる」
菜乃「ケーキ!」
ほら…
さくら「じゃあ私は先にいただきますね」
ヒデ、菜乃「「待って!!????」」
さくら「はい?」
ヒデ「さくらがいないと一問も進まねえ!」
菜乃「さくらちゃん無しで終わるわけないじゃん!!」
お前らな…
――あとがき――
夏休みの宿題は皆さんどうしてましたか?俺は溜めてました。
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