狂宴!鉄パイプ女

ポロポロ五月雨

第1話狂宴!鉄パイプ女惨状!

[chapter:1]

ッガッガッガ!地平線からガッガッガ!にっぶい音がッガッガ!

一体なんだ!?この音は「きゅるるるる」

あっ!あれは!


キャピタラにこびりついたセーラー服!

        棘に刺さった学ランの布かけら!


間違いない、あれは『学徒殺戮専用兵器スチューデントデストロイヤー』!!


恐るべき怪物兵器、悪辣政府が学生運動を鎮めるため導入を決めた非人道的キリングマシーン。

その見た目は両についた機関銃、轟音響かすブッといキャタピ、てっぺんにはキュルキュルつぶらなモノアイが辺りをジロッと見渡している。

「ガッガッガッぴ、、、ピピピピピピピピ!」


あっ、この音は間違いない、人を見つけたんだ!

どうしようもないキリングマシーン、学生たちの抵抗で観測基盤をやられた哀れな鉄クズはもはや人の区別などつかず見かけた人型を引き裂くだけの殺しの化身になってしまった。唯一の救いは人型なら何でもいいのでマネキンでも身代わりにすれば容易く逃げれることだろうか。(僕は前にクマのヌイグルミに向かっていくデストロイヤーを見た)

だからきっと今回も別の何かと見間違えたんだろう、、、もぞり

僕の予想と裏腹に見つかったのであろう人型は明らかな人間でゆっくりと立ち上がった。


「きっと路上で寝ちゃってたんだ、、、気の毒に」


辺りに身代わりになりそうなマネキンはない。かわいそうだけど運がなかったんだ、なんまんだーぶーつー

ガシャァン!ゴミ山の崩れる音と跳び上がる影、僕は急なことに驚き「なんだなんだ」と影に目を凝らす。

その手には何か、、、棒、、いや、あれは


「鉄パイプ?」


グロく光る鉄の色が同じ材料のはずのデストロイヤーを叩きのめすまでの数分、耳を塞ぎたくなるような奇音が工場と煙草で煙たい夜に染み渡って響いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る