12話 転生者の存在
昨日は大変だった。結局今日の朝までかかって…そしてようやく完成した!今は城ではなくあの要塞を拠点として過ごしている。まあ時間をかけただけあってゆっくりとくつろげるすばらしい場所にはなっただろう。
さて今日は2日目のトーナメントだ。
今日の試合は一応午前中に終わる予定らしい。そして明後日で優勝者まで決めると言っていたな。どうせなら優勝しよう。
我は17回戦目だ。
時間を調整してきたからか、ちょうど今16回戦目だ。
「よう!」
いきなり声をかけられた。
「誰だ?」
「お前がルクシスか?俺は次の対戦者のシブヤ・トーマだ。よろしくな。」
「あぁよろしく頼む。」
どうやらいい奴みたいだな…
「戦闘に自信があるみたいだが、勝つのは俺だ!!そして女の子といちゃいちゃと…おっとなんでもない。少し口を滑らしてしまったようだ。それじゃ!」
言いたいことを言ったから満足したのか、どこかに走り去っていった。
前言撤回、今の発言で本当に良いやつなのかわからなくなったな。
「17回戦シブヤvsルクシス!よーいはじめ!」
『
ほう、これはこやつのスキルだったのか…
残念ながら効かないな。時無の極神眼のおかげで時間系の能力は一切無効化している。
「くっくっくっこれでしまいだ!」
勢いよく剣を振り下ろす、が… それが当たることはない。
「どうした?」
「は?お前なぜ動ける?!」
「これが本物の時間停止ではないからだ。」
「そんなわけないだろう!!」
『
「周りの空気や微生物の動きすらも止める、これが本物だ。」
場外まで持っていって放置し、そして
「な、何が起きた…」
「一瞬で試合が終わってしまったぞ…」
「し、勝者ルクシス!」
この会場内に我とグリム以外にも動いてる奴がいた…トーマや観客は気づいていないだろうが確かにいた。
とりあえずグリムと相談だな…
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「俺の異世界チートが…女の子とのいちゃいちゃライフが…消えた…」
シブヤ・トーマは日本からきた異世界人だった。
日本で誤ってビルから落ち、蜂に刺され、雷に打たれ、トラックに轢かれ、灯油に引火し、灰になって、異世界に転生してきたのだ。
女神に預けられたチート、と言われる能力は時間停止。
全ての動きを止める最強の能力、のはずだった。
「だがあの男には通用しなかった…よし!弟子入りしよう!!」
男は清々しいほど諦めがよかった。
「あの学校の入学試験受けに行ってよかった…これはなんとしてでも受からなくては!」
そして…
「あんた道の真ん中でうるせぇな!もっと静かにしろや!」
男の独り言はうるさかった。
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