第18話【いやいやいや・・・】
「これか、マイの笑みの理由は・・・」
横目に田中さんが肩を震わせているのがわかる。
馬淵さんは何故か怒っている雰囲気だ。
しかし、なぜ俺なんだ・・・
何を言われるのか、ドキドキしながらマイの話に耳を傾ける。
「新しいマネージャーさんは、おじさんなんですけど。」
「うん、まぁ俺らよりは若そうだけどねw」
「確かにw」
MCの2人が、こちらをチラチラと見ながら笑いあう。
マイは話を進める。
「わたし、以前ちょっとご心配かけたじゃないですか?」
「あぁあれ?空港の?てか、そんな話していいの?」
MC二人はスタッフの方に向き、ディレクターのOKという合図を確認する。
「そうです、空港の。あの時に、助けてくれた人なんです。」
「え!そうなの!?」
「そうなんです!本当のスーパーマンです!」
「いやー、ガチなやつですねw、そんなスーパーマンがなぜマネージャーに?」
「その時に、お礼をさせてほしいって事で食事に誘ったんです。駒野さんから言われて、そこに冬元さんも来られて、お誘いしたって感じですね。」
「そうなんだ!でもさ、そんなに強そうには見えないよね?そんなに大きい訳じゃないし。」
「でも強かったんですよ!怖くてちゃんと見た訳じゃないですけど、見ていた人たちはアクション映画を見ているようだったって言ってました。」
「それは凄い!直接話し聞きたいなぁ。」
「ほんと聞きたい!良い?良いかな?」
スタッフの方を確認するMC芸人の二人。
するとスタッフが田中さんに駆け寄り、MCの方をみてOKサインを出す。
そして俺を見て声を上げる。
「マネージャーさん!」
「へ?」
「こっち来て話聞かせてよ!」
戸惑いながら田中さんを見る。
すると満面の笑みで親指を立てている。
いやいやいや…
本当に?
どうしようもない空気感に、MCの二人は向かい足を進めた。
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