朝と夜

お題：朝の夫 制限時間：15分

　一緒に暮らしてるのに夫である彼と遭遇することはたまにである。

　私は朝の仕事で、彼は夜の仕事。

　ベッドで相手が眠ってるのを確認して、あるいは目覚めたのを確認して一日が終わる。

　大体忙しいときは絶対に会えない。

　別居してるわけじゃないのに、ひどく愛が足りない。

　だから、朝寝てる彼の陰茎にまたがって、自分を慰めてる。すぐに果てる陰茎には物足りなさしかない。

　彼の性欲は強いはずなのに寝てるだけでかなりのランクダウン。学生時代はほぼ毎日のように3,4回ほどの対戦を行ったのに途中でギブアップ。

　そろそろ子どもができてもいいときなのだが、子どもは発生してない。

　ちゃんと性行為ができてないというのもあるかもしれない。

　彼に異常があるのか、あるいは私に異常があるのか。

　お互い気にしてないがいつかは調べた方がいい。

　もしそうであるならば、いろいろと考えたほうがいい部分が出てきてる。

　ただでさえ、家業を継がないで勝手に結婚したのだ。孫ができないと知れれば、離婚しろと迫ってくるかもしれない。

　親にそんな権利はないが、しつこくされればストレスは当然溜まる。

　社会のストレスとは違う陰気なもの。

　いじめに近いものかもしれない。

　そういうのは会社で間に合ってる。

　嫌な上司は消えてくれない。どこかで失敗しろと思ってもミスをしない。だからこそ、失敗しがちな私には強く言える。

　頑張りが報われない。

　どうせなら子育てで苦労したい。

　友だちに子どもの姿を見せられると、ちょっといらいらと羨ましさで胃にくる。

　主婦になりたいわけじゃないが、子どもは欲しい。

　ちゃんと私にだって育てられるはずだ。

　私という問題児を親は作ったのだから。

　あぁ、いろいろ考えてる間に最寄り駅についてしまった。

　あとは苦痛のラッシュ。もう少し平和にならないものだろうか。