おもたい
くずき
おもたい
君のことを考えないよう
日をまたぐ前に眠り
冷たい朝に学校へ向かい
講義を受け
休日は二つのバイトをこなす
体が重くなるまで一日を過ごして
最後は泥になってベットへもぐりこむ
君のことを考えると心が重くなる
幸せなはずが辛いような気がする
会えないことが苦痛で
楽しそうな君の邪魔をしたくなくて
考え出したらきりがないほど君のことを考え
離れていく背中を見たくないがために
わがままを飲み込む
私は今日も泥になる
君は眉を下げて私を見つめる
甘い言葉と優しい言葉に救われて
私は君の言葉を反芻して
寂しさを紛らわし
泥になる
「大丈夫じゃないが聞きたい」
君の言葉が耳に反響する
会えない日は、いつだって大丈夫ではない
君に会えば
君の笑う声が聞けるから
君の幸せそうな顔を見られるから
君といると幸せだから
私まで笑って
私は君のぬくもりに安心する
何をしててもいいから隣にいてほしい
じゃなきゃ大丈夫ではないの
なんて言えずに
泥になる
泥になって
布団に沈む
返ってこないラインに不安になって
けれども君を信じたい私は携帯の通知を切って
深い暗闇に包まれる
泥になって
目が覚めて
君からの「おはよう」に安心して
私は人間の形を取り戻す
無理しないでと言ったのは私なのに
私は、泥になる
この感情がいつか愛情に変わることを祈って
私はそっと君を想い泥になる
おもたい くずき @kuzuki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます