第19話 どーも、雨です

前回のあらすじ


主人公 熟睡する



本文



どーも、森の中で熟睡したオッサンです。

6時間くらい寝てたのかな?ユリさんに起こされ、交代で見張りをする。ユリさんも凄く疲れているんだし気が抜けるのは仕方ないけど、どうして俺の服着ているの?意味がわからない。すぐ寝てしまったから、ユリさんに聞きそびれてしまった。


「あ、雨だ...この洞窟は少し丘になっていて水が溜まらないからありがたい。まだ夜中だし、ご飯食べ終えたら着替えて筋トレでもするかな」


寝たらだいぶ体力が回復した。負傷した場所も、さほど痛くないし...とりあえずご飯だな!


「今日のご飯は何にしようかなー。まずはサラダを作って、ポタージュソースを和えるか。メインディッシュは、もちろん肉。分厚い肉だなー、これ。焼き加減はミディアムでいいか。味付けは塩コショウで、備え付けはブロッコリーみたいな野菜をお湯で茹でて添える。よし、これだけの素材があれば中々の量になるな」


俺は作る料理の素材を始めに全て用意する人なのです。調理を始めるか。調理器具は、煮沸消毒してから使用する。


「雨なら匂いとか消してくれるからありがたいね。これから雨の日は出来るだけ豪華な食事にしよう」


もくもくと調理すること1時間。


「出来た!!」


「良い匂いですね、ケンさん?」


「うわっお!びっくりした。起きたの?」


「はい、とても美味しそうな匂いで起きました。私の分はありますか?」


「サラダはかなり量があるし、肉も余裕あるから先に食べてて。それと、しっかり寝ないとダメだよ」


「美味しい料理を作るケンさんが悪いのです。今食べて、すぐ寝ますね」


気だるそうに起きて食事を始めるユリさん。俺は、肉を取り出し調理を始める。


「おおー、よく食べるねー。作った甲斐があったよ。そろそろいいかな?美味そうだ」


焼いた肉を皿に移し、ブロッコリーみたいな野菜を添えて食べる。


「うまい!シンプルだけど、店で食べた肉より美味い。この世界は料理下手なのか?」


自分で作った方が美味しいのは何故なんだろうか...食べ終わったユリさんは、再び寝る。20分ぐらいで食べ終え雨の音を聞きながら後片付けをする。


「そういえば、血だらけの服のままだったな。着替えて洗濯しなきゃ」


諸々の作業も終え、筋トレを始める。さまざまな筋トレ法を試しながら朝日を迎えるが雨は止まない。雨の中、先に進むのは嫌だな。視界も足場も悪いだろうし。洞窟があってよかったよ。


「スマホのメモ帳に剣術に必要な技術を書いたことがあったな。剣を振る高さと横もあるし、基礎をしっかり訓練しないと」


今日の訓練は足さばきと素振りを兼ねて行う。

剣道の足さばきには、歩み足・送り足・継ぎ足・開き足の4つがある。


1)歩み足

遠い距離前後に素早く移動する時の足さばきである。また、遠い間合いから技を放 つ時にも用いられる。右足、左足を交互に繰り出して、前進したり後進したりする足 さばきで、すり足で行う。


2)送り足

あらゆる方向の近距離で素早く移動する時や打突の時に使われる。移動する方向の 足を踏み出し、他の足を素早く送り込むように引きつけるという方法であり、すり足 で行う。


3)継ぎ足

遠い間合いから打突に用いられる足さばきである。踏み出す距離を伸ばしたい時 に、左足を右足の位置(左足が右足を超えないよう)に引きつけ、直ちに右足から大き く踏み出す。左足を引きつける瞬間に隙になりやすく、最初から最後まで瞬時に行うことが重要である。


4)開き足

身体をかわしながら相手を打突したり、防御する時の足さばきである。右に開く場合は右足を右斜めに出し、左足を右足に引きつけ相手の方向に向ける。

左に開く場合には左足を左斜めに出し,右足を後方に引き付け相手に正対する足さばきである。


剣道は剣術の基礎だからね。しっかりマスターしなきゃ。反復練習あるのみ。


「おはようございます、ケンさん。剣の稽古ですか?」


「あ、おはよう。騒がしくしてごめん。起こしちゃた?」


「いえ、だいぶ寝たと思いますが...そうですね、身体は軽いですし気にしないでください。今日は雨なのですね」


訓練を一時中断し、布で汗を拭う。


「今日は、雨だね。この雨の中移動するのは危険だから洞窟の中で訓練してた」


「そうですか。休める時にしっかり休まないといつか身体を壊しますよ?」


「それ一理あるな。今日くらいはほどほどにして休みにするよ」


「ふふ。今日は素直ですね。顔洗ってきます」


たまにはこういう日があって良いじゃない?急いでいるわけではないし。小説の物語のような"数日が経ち"みたいなことに現実はならないしね。


「ケンさーん、マジックバックから服取って下さーい!」


「俺の服を勝手に着るなよー?あと、マジックバックごと持っていくから待っててー」


ユリさんのマジックバックを持って洞窟の奥に向かい、半裸のユリさんと出くわす...というよりわざと半裸の格好で待っていやがった。


「いやん、ケンさんのヘンタイさん!」


「どちらかというと、ユリさんの方がヘンタイだよ!!?」


マジックバックをユリさんに投げつけ、訓練していた場所に戻る。


ユリさん、着痩せするタイプなんだな...




後書き


次回 雨の中の戦闘

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る