僕には何の力もありませんが、怪異を祓うお手伝いをしてます。

なかむらみず

序章


 この世には実に様々なものが生きている。

 あなたはどんなカタチをしていますか?

 ヒトかな。


 この世には実に様々なものが息をしている。

 あなたは目の前にいるヒトのカタチ、ちゃんと見えていますか?

 よくよく見たら何かちょっといない?

 あれ、この人何か違和感。そう思ったことない?

 ほら、見て見て。例えば首の辺り、ほら。

 無理? そっかー。


 目に見えるものだけが生きているわけではない。

 存在を認知できずとも実にいろんなものがあなたの周りにいるのだよ。

 だが、そんなこと言われてもね、アレは一部の人間にしか見えないし分からないものだから。


 けれど考えてみてほしい。

 例えば「足を引っ張る」とヒトは言うが何故そう言うのかと。え、邪魔をすることをそう言うのでは? そう習った?

 そうではないんだね。実際、足を引っ張っている場合があるんだ、物理的にね。



 もしあなたが今、誰かの悪意を感じているなら、そこには在るはずだ。

 始まりは小さく、けれど着実に成長し肥大して、やがて器であるヒトを食い殺す、奴らが。


 悪意ってのは己の身をも滅ぼすんだね。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る