第三話
周りは四肢がばらばらとなった死体に満ちていた。死神の鎌が振るうと強力な風で人を切り刻む。闇色の雷が、闇色の炎が敵を粉々にする。
炎の中、死神がうろつく。
奴隷の身になった少数民族がいる。
この人たちは絶対に傷つけてはいけない。
「お前らを苦しめる敵は葬った!」
そう言うと死神が死馬を呼び次の村に行く。
アズラエルと名乗った死神は各地でたった一人で殺戮行為を行った。
そしていよいよ海に出た。海を越えると島があった。大きな島だ。
ここに東洋文明の国を脅すものが居るというそれが最後だ。
侍なるものをいじめてる集団に出会った。アズラエルは瞬時に己の鎌で葬り去った。
侍が己の姿を見て逃げていく。
全部一人で殺戮した。全部、全部、全部一人でだ。
己の鎧も、鎌も手も血で穢れていた。
使命は終わった。ここに来る頃にはエスリーンは仕事をスムーズに行うだろう。
アズラエルは死馬を呼び学園がある方向を目指した。はるか遠くだが死馬のおかげで瞬時に到達する。
アズラエルは地下墓所で死馬を黄泉に返して面頬を取った。ザックは泣いた。ザックは毎日このような殺戮を行いながらエスリーン達の行軍を支えていた。
◆◇◆◇
「何よ、これ……」
エスリーン達は悲鳴を上げていた。行く場所、行く場所で死体の山となっていたからだ。そしておびえる少数民族をかばう。みな口々に死神が来たという。中には裁きの神が我々を救ったと踊りまくる部族も居た。そのような部族に魔導の技術を特に電熱コンロや発電所、そして鉄道を教える。少数部族は喜んで連盟に加盟すると言った。
クレアの部族サハ族も居た。酋長に会ってもうロロ帝国におびえることはないと言った。酋長は大喜びだ。
「クレアは居るか!?」と聞く。
エスリーン達は「学園に居る」と言った。酋長はますます喜んだ。
◆◇◆◇
「ほお、奴らサハ族の村にいます」
ラスプーチンが皇帝に報告する。仕掛けている水晶玉から彼らの姿が見える。
「正体不明の死神の行方は?」
まだ分かっておりません。
「死神なんて居るわけが無いのよ。奴らの口を割って……犯人を割り出し……仮面を剥ぎ……のよ」
怒りに震えていた。
「承知」
一部聞き取れなかったが最後の言葉はもうあれしかない。承知と言うほかない。
「王城の魔法陣からサハ族の村に直接行けるのよね」
「行けます」
「挨拶にでも行ってあげて」
「承知」
◆◇◆◇
ラスプーチンと近衛兵はサハ族の村の倉庫に次々転移した。
そして、ラスプーチンはエスリーンを見つけた。
「よう、エスリーン」
ラスプーチンの手には闇の炎。
「え?」
エスリーンはぼーっとした。何であいつがここに?
「は?」
周りもポカーンとなった。
「久しぶりだな。学友として挨拶に来た」
「で、で、で、で、で、で……出た~~~~~~~っ!!!」
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