俺の妃になってくれ
藤川みはな
第1話 空から〇〇が落ちてきた
「ぎゃあぁぁーーーっ!!」
わたしは空に向かって叫び声を上げた。
だって、空から人が落ちてきたんだもん!
しかもあたしの真上に!
ドンっという衝撃が背中に走る。
わたしは地面に倒れた。
「いたたたた」
「う、あぁ、すまない」
そう言ってすぐに起きた青年にあたしは目を見張った。
綺麗な黒髪に赤い瞳のアイドルみたいな男性。
すっごいイケメン!
外国人かな?こんな目の色見たことないよ!
年は十代後半に見える。
「お前が聖女か」
「え?」
いきなり空から落ちてきて、第一声がそれ?
「せ、聖女?漫画とかでよくある?」
思わずそう聞き返した。
「マンガとは何か知らんがその瞳の色間違いない、お前が聖女アオイだな。」
漫画も知らないなんてこの人どこの人?
確かに、あたしの目は普通の人とは違って青色
だけど、それが何?
「えっと、あなた誰ですか?わたしの知り合いじゃないですよね?それになんで空から落ちてきたんですか?」
あたしは不審者を見るように上から下まで見た。
「あぁ、名乗っていなかったな。俺は異世界から来た
魔王、ロイスだ。異世界へと通じる穴に身を投げこちらの世界に来たのだ。そうしたら落下している最中だった。」
「はぁ?」
異世界から来た魔王?
こんな漫画みたいな展開あるものだろうか。
この人、重度の厨二病じゃなかろうか。
空から落ちてくるってとこは普通じゃないけど……
「聖女、アオイ。どうか俺の妃になってくれ」
「だいたい、あたし聖女じゃないし!なんで見知らぬ人の奥さんにならないといけないんですか!」
自称魔王は、ため息をついた。
ため息をつきたいのはこっちだよ!
「俺のいる世界では、女神に紺の瞳の聖女アオイと魔王が結婚すれば世界に平和がもたらされると神託を授けられた。だから、俺と結婚してほしいんだ」
え?
「魔王って、悪い人でしょ?それなのに世界平和を望んでるなんておかしいよ」
あたしは思ったことを魔王に言った。
「いや、魔王は魔族をとりまとめる長だ。決して悪事に手を染めていない。」
「そうなの?」
小説や漫画では悪人みたいにかかれていたのに。
「人間と魔族の戦争が勃発している。だから
アオイの力を貸して欲しい」
美しい顔であたしの手を握りしめる魔王。
ついその美しさにあたしは「はい」と頷いていた。
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