マギヤの女子に関する記憶全部消える(仮)
霜月二十三
第1話 聖女のこと、恋人のこと、「両方」忘れちまうのが「マギヤ」の辛いところ
今日は、マギヤがウリッツァ班に復帰して早々の、ウリッツァ班の聖女護衛当番日。
いつものように聖女ヴィーシニャを護衛していたウリッツァ班四人。
だが、一歩後ろで誰かが倒れた音を聞いたトロイノイが、「ちょっと大丈夫?!」と倒れた音の正体に声をかける。
トロイノイの声に、ヴィーシニャとウリッツァとプリストラの三人も立ち止まって振り向くと、なんとマギヤが倒れていた。
と、とりあえず保健室! と
しばらくすると保健室のベッドでマギヤが目を覚ます。
「……ここは?」
「保健室、仕事中いきなりマギヤが倒れるから……!」
マギヤとトロイノイ以外の三人もトロイノイの言葉に激しく同意する。
「ああ……ごめんなさい。……ところで、貴方は? あと……そちらの、桜色の髪などが美しい女性は?」
マギヤの言葉にウリッツァ班
残ったマギヤとヴィーシニャは「「え?」」と驚きの声をあげる。
「待って、えっと、あたしの名前はトロイノイ・ロクエ。あんたも属するウリッツァ班の唯一の女子で、えっと……」
「あとマギヤの恋び――」
「えっと、あたしのことはトロイノイって呼び捨てでいいわ」
言葉に詰まる様子のトロイノイに助け舟を出そうとしたプリストラは、トロイノイの言葉を聞いた直後「あれ?」とつぶやく。
「あと、こっちの美しい……うん……美しい女性って言った方は、ヴィーシニャ・サンクトファクトル。
マギヤとプリストラが五歳の誕生日を迎えてから付き合いのある幼馴染で、現聖女だ」
「えっと、聖女……とは?」
ウリッツァのヴィーシニャ紹介への対応に、待ってそこも?! などとプリストラを始めとした一同が、マギヤに対していろいろ問い詰める。
自分達が聖女ヴィーシニャを護るために所属している組織を問われれば「ヴィーシニャさん親衛隊?」と微妙に惜しい回答をし、聖女にまつわる一番重い罰則を問われれば「本人が死刑になる以上のケースがあるんですか?」などと、いつものマギヤならまず間違えない、聖女にまつわる常識問題の数々に誤回答連発だった。
そういえば……と、ヴィーシニャのペンダントを見て、「随分高そうな物をしていますね、どなたから贈られたのですか?」と言ったマギヤに対して、
クラスの教室に戻れば、日常警護班の女子メンバー及び警護班に属してない女子クラスメイトの名前等を思い出せないと言うし。
聖女と日常警護班メンバーが生活する聖女邸に着いて、「私達、寮生活なんですね」と、のたまうマギヤに対して、トロイノイから「寮呼ばわりすんな!」と、やや憤り混じりのツッコミをされるし。
あとでトロイノイが、タケシ班副班長のメルテルから聞いた話によると、この日の夜、マギヤと同室のタケシが「今日は俺達タケシ班が聖女を寝ずに見守る」と言うのに対して「大変そうですね」と他人事感丸出しの返答をしたマギヤ。
それに対してタケシは「いや、お前の班も当番になったらやるだろ……」としか言えなかったとか。
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