第2話 行頭——文章の書き出しと字下げ

【段落一行目は一字下げる】

(例文)

 秋の季節が近づいて来た。


<解説>

行頭ぎょうとう」とは、「文章などの行のはじめ(『明鏡国語辞典 第三版』より)」のことです。


 作文や読書感想文を書いたことがある人なら分かると思いますが、段落の一行目は必ず一字下げる(下記「字下げ」で表記)のが通則です。横組みは字下げなくてもいいという考え方もあるようですが、ないと段落の始まりが分かりにくいので、段落のはじまりは字下げが推奨されています。


 またカクヨムに投稿された作品の中で、段落の一行目が字下がりしていたり、していなかったりと、行頭が凸凹している作品を見かけることがあります。それでは折角の「新しい段落ですよ」というサインの意味をなさず、見た目も美しくありません(体裁は文章の見た目の美しさも作っています)。よって、字下げをするなら、最初から最後まで合わせた方がいいでしょう。


 とはいっても、「もう書いてしまったものをいちいち字下げを行うのは面倒だ」という方もいらっしゃるかもしれません。そのときは、カクヨムツールにある「本文を整形 段落先頭を字下げ」を利用しましょう。これを押すことで、一気に段落の一行目を字下げにすることが可能です。また、元々字下げになっているものは下がらないというのも、このボタンを押す利点です。


 ただし、最初から二字下げになっているものはそのまま、「」が段落の最初にある場合も下がらないので、ボタンを押しても最後は全体を確認した方がいいでしょう。



 ちなみに、段落一行目の行頭が「」で、地の文が続いている場合は段落を下げても下げなくても構いません。下記にその場合のパターンを記載しておきます。


(例文)

①字下げあり(全角)。

 「行頭ぎょうとう」とは、「文章などの行のはじめ(『明鏡国語辞典 第三版』より)」のことである。


②字下げなし。

行頭ぎょうとう」とは、「文章などの行のはじめ(『明鏡国語辞典 第三版』より)」のことである。


③字下げあり(半角×2)。

行頭ぎょうとう」とは、「文章などの行のはじめ(『明鏡国語辞典 第三版』より)」のことである。


<解説>

 例文のような文章の場合、縦組では①のように段落の一行目であっても字下げするのが望ましいとされています。ただし、実際に出版されている書籍を見てみると、字下げされていないものも多く目にします。


 ①の場合ですと、「下げすぎ」と感じる人がいるからだと思います。原稿用紙に「」をマスに当てはめると、半分より下に書きますよね。そのため字下げを行うと、他の段落と比べて、一字と半分下がった状態になるせいです。


 また出版物の場合、印刷所のPCによって微妙な調整が入るため(状況によって、半角やそれより小さいスペースなどを入れたりする)、より美しい体裁になります。しかし、それをカクヨム等で再現しようとすることは難しい。そのため②でも問題ないと感じます。


 ちなみに、③は半角スペースを二つ入れている状態を作ってみたものです。しかし「編集中」であればその差を見ることが可能ですが、プレビューや実際に公開した状態では見ることができないようでした。どうやらカクヨムのシステムで、自動的に組み方を微調整しているみたいなので、やっても効果は得られません。

 

 下げるか、下げないか。字下げしたほうが縦組みのルールには沿った体裁とはなるが、どちらをを採用するかは判断は作者に任せます。


 ちなみに、横組みの場合は字下げが一般的のようですが、出版物によっては印刷所の調整がされていて、上記で説明したような「下げすぎ」と感じないような工夫がされているものもあります。

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