びりーゔぁー

バブみ道日丿宮組

お題:僕の嫌いなボーイ 制限時間:15分

 愛を教えてくれたのは、あの少年だった。

 彼は今何をしてるだろうか。

 自分に子どもがいるって知ってるのだろうか。

 中学生の母親と、小学生の父親。

 親は少年を知らない。

 僕がいつどこで妊娠したのかを知らない。

 聞いても答えない。

 あれは思い出だった。そう……儚い夏の思い出。

 今に思えば、あれは愛ではなかった。

 憎しみに近いものを僕に押し付けてた。

 少年に傷つけられたたくさんの傷は今でもあとが残ってる。

 その脅威が子どもに向くことはないことを感謝すべきかもしれない。

 少年に愛はない。それは僕も同じことで、逃げれなかったから、犯されなければいけなかったからそうなっただけで、本当の意味では愛を教えてくれたわけじゃない。

 少年の両親は、未だに少年を探してるという。実際のところ、それが真実かどうかはわからない。家の中に仕舞われてるのだとしたら、僕たちからしてみればいないのと同じ。

 でも、警察が調べたという実績がある。

 そうなれば、家にはいないのは本当のことかもしれない。

 ただ……。

 小学生が自由気ままに世界を生きれるだろうか。

 数秒に何千人も死ぬこの地球という環境下で、犯す以外の力がない少年が親の力を借りずに平和でいられるのか。

 わからない。

 僕は少年ではないから、答えがでない。

 わかってるのは、少年が父親で僕が母親ということだ。

 高校生となった僕は、家の中を歩く娘に愛情を注いでた。

 学校にいる間寂しくさせてしまったから、そのぶん愛を注ごうと思った。

 世間では両親の娘としてる。世間体というやつだ。

 娘は僕を母親だと理解してるので、すっごく甘えてくる。駄々をこねるようにもなった。

 一時期は学校に行ってしまう僕をすっごく泣いて引き止めてた。

 大学をどうするかを両親とよく話す。

 社会に出る前にいろいろと覚えたほうがいいなどなど、たくさんの課題があった。

 子どもは無職では育てられない。

 今は親が養ってくれてるが、いずれ消える。

 最後は僕が娘を育てる未来が待ってる。

 一応養育費という名の謝罪費用は少年の両親から払われてる。

 そういう意味で言えば、娘が独り立ちするまでの資金はあるともいえるが、確実じゃない。

 逃げたり、死んでしまえば、それはなくなる。

 現実は深い。すごく大変なのだ。

 そう思いながら、笑う娘を見た。

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びりーゔぁー バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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