余命1日の魔法書士
中須ゆうtive
異世界魔法書士は闇を叶える
『お待たせ。それでご要件は?』
『本の世界に入って大嫌いな登場人物に嫌がらせしたいです。』
我は大声で笑う。
『ははっ!それは面白い!入りたい本のタイトルは決まってるのか?』
『夢の双子。』
『ほほう。どんな物語なんだ?』
『双子の妹が病で死んでしまう切ない作品です。』
『…楽しそうだな。ところで嫌がらせしたい登場人物というのは?』
『双子の妹のメヨイです。このピンク紫の髪色の娘。彼女は何もしなくても病気で死ぬのですが…理由は言わなくても良いですか?』
『良いだろう。さて、ここから本の世界へ行く決まりを伝えるぞ。1つ、報酬は先払いだ。』
『大金や価値のあるものですよね。どうぞ。』
金銀財宝、高価な品々、価値のある物が並んでいた。
『うむ。2つ、元の世界に帰れない可能性もあり、命の保証もしない。できるのは手伝いだけだ。』
『わかってます。』
『話が早いな。3つ、本の中に入るのに登場人物になるのだが、誰になりたい?』
『メヨイになります。』
『む?嫌がらせしたい相手になるのか?』
『悲惨な結末を迎えさせたいので。』
『よくわからんが、良いだろう。そこに座れ。この本に今から魔法をかけるぞ。』
我は本をテーブルに置き呪文を唱えた。
『この者を本の世界に連れて行きたまえ!』
本が光り輝く。すると、依頼人の女が立ち上がった。手には全ての魔法を反射する伝説の鏡を持っている。
『かかったな!魔法書士!』
『な!?』
『この顔に覚えはないか?』
『前の依頼人にそっくりだ…!』
『そうだ!私の双子の妹は魔法書士に会いに行ったあと行方不明になった。お前が殺したのだろう。お前に依頼したばかりに、あの子は…。今度はお前が死ぬ番だ!』
鏡が魔法を反射して光が瞬いた。
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