革命と選挙と ―普通選挙法と治安維持法の成立―

前文

 大正一一(一九二二)年、選挙法の改正案が衆貴両院で可決され、いわゆる「普通選挙法」が成立した。これにより国税納付額などによる選挙権の制限は撤廃され、原則として二五歳以上の男子全員に選挙権が付与されることになった。

 それは社会の半分を構成する女性を排除するなど真の意味での「普通」選挙からは程遠いものであったが、これまで自分たちの意思を政治に反映させる手段を著しく制限されていた、中下層の人々が参政権を手にした意味は大きく、結果的に日本憲政史上の大きな転換点となった。

 一九世紀の議会政治開始以来から続く普選運動はいかにして結実し、それは日本という国になにをもたらすことになったのか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る