第13話

「びっくりさせちゃった?」


 その声は確かに金森のものだった。


「う、うん…。」


 僕は言葉に詰まってしまった。


「私はずっとこの病気に悩まされてたんだけどね、自分でコントロールできるようになってきてやっと始められたのがあのバイトなんだ。」


「なるほど…」


「そこで出会えたのが池田くんってわけ!」


 彼女は驚きから震える僕の手をぎゅっと握りしめてくれた。


「まだ時々うまくいかないこともあるんだ。急に隼人が出てきちゃったり。でも、そんな私も含めて、受け止めてくれたら嬉しいなぁ」


 僕は彼女の手を強く握り返した。


「もちろん。僕はこの手は離さない。急になっちゃうけど、僕とお付き合いしてくれませんか?」


「ふふっ。その言葉を待ってた。よろしくねっ!」


 僕らは強く抱き締めあった。

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