第10話

 再び彼女の腕に力が入った時、普段との違和感があった。


 何かがおかしい。そう思っていると


「ん、ん…」


 彼女は目覚めた。


「ここどこぉ?!」


 言葉が出なかった。これは…男の声だ。


「え、ちょ…」


 は僕の腕を掴む。


「ねぇ、君、だれ?」


「ぼ、僕ですか?!池田ですけど…」


 彼は記憶が飛んでる?!


「ふーん?そっか」


 彼は何事もなかったかのようにデンモクをいじり始めた。


「あ、あの…ど、どなたですか?」


「あ、俺?西嶋隼人」


 え…?

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