第7話 6000年前

 ―X分後・堺市内の公園―


 勝本のおかげで命の危機を回避出来た竜理は、佐々木・市川・長崎・二階堂・綱島つなしま達の元に、再び合流したのであった。ちなみにメンバー内の女子は綱島と竜理の二人である。


 「どこ行ってたんだよ、上条!!」


 「ごめんね、佐々木くん!!ちょっと気になることがあって・・・」


 「気になること〜!?」


 「(やばっ!違法き・・・)」


 「まさか、6000年前のことでも、調べようとしてたのか!?」


 「・・・え!?う、うん!!そうなの!!」


 違法金属のことを調べていることについて、友達に知られたくない竜理は、とっさに佐々木の言葉に合わせると、彼からとんでもない発言が飛び出したのである。


 「詳しくは分からないけど、この周辺に、巨大な都市があったという噂だ。詳しくは分からへんけど。」


 「佐々木くん、私はその街について詳しく分からないから、ちょっと教えて!!」


 「ええよ!それは6000年ほど前の話だったけど、この近くにそれはもう巨大なメトロポリスがあったらしく、すごく当時は栄えていたんだ。首都ではないかも・・しれないけど、この日本国の活性化に繋がるとされた場所なんだ!!しかし、4000年ほど前になぜか、そのメトロポリスから人がいなくなり、いつの間にか跡影もなくなってしまったんだ。」


 「人がいなくなったのは何でだろう?」


 「分からない。一説にはそのメトロポリスの首長くびちょうの悪政が原因とも言われているが、6000年前の出来事で、詳しくは知られていないんだ。」


 「誰か知っている人はいるかな?」


 「多分いないよ。いても、正確な情報かも分からないと思うよ。タイムマシンでもない限りな。」


 「タイムマシンかあ。」


 「あれば分かるよなあ〜」


 突然6000年前の話が始まるも、結局は詳しいことは分からず、後にこの日は解散となったのであった。



 ―夕方・自宅付近の公園―


 解散となったため、ジェットパックで自宅付近の公園に来た竜理は、ベンチに座り、考え事をしていると、昭和の紙芝居屋のような荷台を乗せた自転車で、彼女のもとに見知らぬおじさんがやって来たのである。


 「お嬢さん、こんばんは。」


 「誰!?おじさんは?」


 「ああ、わしは古文書売りの【大豆生田おおまみゅうだじょう】だよ。遠い先祖は、野球選手だとも聞いている・・・・・。それにお嬢さんの先祖のことも知っているかもよ?」


 「!!」


 「そうだ。お嬢ちゃん。何か知りたい時代はないかな?」


 見知らぬ男性は『大豆生田譲』(44歳・不明)と名乗り、年齢にしては少し老けているような外見である。先祖の一人が元野球選手ということも確認・・しているという。その彼の正体は詳しくわかっていないものの、今分かっているのは竜理に何かを教えようとしているのだ。


 「・・・6000年前の歴史です。」


 「よかろう。」


 竜理は6000年前のことを知りたいと言うと、譲は荷台の引き出しから、とある古文書を取り出したのである。



 【第7話・完】

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