第3話 違法金属密輸グループを追え!①
―同時刻・二国ヶ丘高校校門前―
竜理が、交番の職員に声をかけられていた頃、彼女のクラスメイトの一人である【
「今日の授業、なかなか良かったよな。」
「日本史やろ?あれは良かった。」
「しかし、見方によってはどちらが善か、どちらが悪か、変わるんだよな。」
「だいぶ昔は・・・たしか平成時代だっけ?蘇我氏がかなり、悪者扱いされてたんだよな?」
「そっ!それでも平成時代の途中から、蘇我氏が本当に悪なのか、歴史学者からも疑問の声が出始めたみたいだしね。」
「まあ、内容によっては色々変わるのさ。」
「なあ、もしかしたら
「佐々木?」
「あ、すまんすまん!」
「もう気にすんな!
「ああ、ありがとう・・・」
二人は日本史で習った歴史の話をしていたが、会話のある
―東大阪市内・交番―
その頃、職員に呼ばれた竜理は、戸惑いを見せていた。
「急に声をかけて、ごめんね!」
「い、いえ・・・大丈夫です!」
「君、結構東大阪に来ているよね?」
「は、はい!」
「土地勘はあるかい?」
「あ、あります!」
「じゃあ、お願いがあるんだ!時間があるときでいいから、調べてほしいことがあるんだ!」
「調べてほしいこと・・・ですか?」
「ああ!その前に自己紹介だ!僕は【
「私は上条竜理です!こちらこそよろしくお願いします!」
「上条・・・!?」
「?」
「ああ、なんでもない!ごめん!それで君に頼みたいのは・・・」
「はい。」
「“
「ちょ、ちょっとまで待ってください!?」
職員の石澤昭光(36歳・警察官)に、竜理は認知されていたようで、土地勘があることを知るやいなや、違法金属密輸団体のアジトを探すようにお願いしてきたのだ。もちろん、竜理は依頼を受けるどころか、突然の大きな依頼に戸惑うしかなかったのである。
「いや、あくまで君は、この街に来たときに、ついでに調べてくれたらでいいし、東大阪で別の用事があるなら、そっちを優先してくれても良いから。」
「・・・」
「ほんとに嫌になっちゃうよ。昭和、平成時代に東大阪には町工場がたくさんあって、特にネジがたくさん生産、加工された歴史のある街なんだ。そして
「違法金属が・・・」
「違法金属が、世界各地に出回れば、金属の在り方が問われかねない。早く、密輸グループが増加する前に、本元から根絶やしにしなければならない!」
「・・・それなら、私も毎日ではありませんが、協力します!」
「ありがとう!感謝してる!」
「力になれるかは分かりませんが・・・何か協力ができたら・・・」
「いや、一人でも君みたいな人がいれば、助かる!!」
戸惑う竜理ではあったが、東大阪市の歴史を知り、石澤の密輸グループ摘発に、少しでも協力したいという気持ちになったようだ。
―翌日・東大阪市内―
市内の商店街の途中にある巨大なゴミ箱があり、蓋が開くと、中から竜理が出てきたのである。
「う〜ん、ちょっと臭うわあ。この辺に怪しい人はいないかしら?」
この日は、学校が休みで、時間があったので、密輸グループを探していた竜理。しかし、そんな都合よく見つかるはずはなかったのである。
「昼から佐々木くんや市川くんらと用事があるから、ちょっとここで終わりにしようかな。」
昼から、クラスメイトと遊びに行くため、ここでこの日は切り上げようとした竜理。しかし、商店街に若い二人組の男性が歩いていたのである。竜理は二人の雰囲気に何かを感じたのか、すぐさまゴミ箱内に隠れてから、少し蓋を開けて二人組の話を聞くのであった。
「おい、
「あれは、ヨーロッパ!」
「報酬はいくらだ?」
「分からんけど、少なくとも家一軒建つらしい。」
「いいね〜!!」
「(あの人達の会話・・・何か気になるわね?アングリーサンってなんだろう?ちょっとついていってみようかな。)」
竜理は、二人の後ろをついていくことにしたのである。この後、竜理の身に何が起こるのか、彼女は知る由もない・・・!
【第3話・完】
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