第10話 魔法

と、いうことで夜中の2時くらい(たぶん)に目をさました。


(こういうとこは前世と同じだな・・・)


俺は前世では夜勤明けで疲れてる、ということがなければ体内時計でこれくらいに起きると思うだけで誤差30分で起きる事ができるという特技があった。


(いやそんなことより魔法!)


隣を見るとメイドが椅子に座りながら寝ていた。


(お前ら侍かよ・・・)


こういうご時世と第2夫人をお父様が警戒して、1流のメイドを俺がお腹にいるとわかった時に八方に手を回して雇ったそうだ。


(本当に普段ハツラツとした熱血キャラなのに策士だよな~……。


……寝てるよな?これ寝てるんだよな?

声出した瞬間に起きるとかやだよ?

まあ戸惑ってても仕方ないからやるけどさ)


待っててもらちが明かないので早速魔法を詠唱する。


「いにょきゃみぇよ、わぎゃ、にぇがいにきょたえぇ、しゃしゃやかにゃる、しゅきゅふきゅをたたきゃいしもにょにあたえたみゃえ、しゅみょーるあたぁく」

語訳

[火の神よ、我が願いに応え、ささやかなる祝福を戦いし者に与えたまえ、攻撃力小(スモールアタック)]


 全然言えなかった。

喉や舌が喋れるようになっていないのだ。

全然奏でていない。


だが、


(お?おおお!・・・お?)


一瞬体を魔力が流れる感覚がしてすぐ消える。

(え?今魔力流れたよな?あれ?なんで?

だけど特に感覚的には変わったことはないな・・・

神眼で自分を見るか)


[レイン・デュク・ド・オリオン/Lv. 1]

[1/10](晩成型)

[男性/AB/6533/7/8]

[人族/オリオン公爵家]

[HP 26/26

MP 123/123

STR 21

VIT 12

AGI18(+36)]

[魔法]

[スキル

レア4 MP上昇率大

レア5 神速

レア6 我が矛は最弱なり、我が盾は最強なり

レア7 魔力全吸収

レア7 無詠唱

レア9 魔導王

レア10 神眼

エクストラ 言語理解

]


(・・・何も変わってない?


 あ!!いやステータスの経験値が1あがってんぞ!

 んじゃ成功か!

 でもなんでなにも上がってないんだ?

 感覚でわかれってやつか?

……ああ、魔力全吸収か!!

マジか!そういえば支援系も含まれてたな!

そうかそうか……え?

じゃあそれってつまり俺が俺に魔法をかけ放題ってことじゃん!!

やべ、そうそうにレベルカンストするなこれは!!

だけど赤ちゃん言葉で全然歌うようにじゃなかったぞ?

発音もバラバラだったし……。

あ、もしかして言語理解?

お前ここで登場するの?

もしかしてそう言っているつもりなら壮大に言えば世界がそうと認識するって感じですかね?

神様がくれたエクストラスキルだし可能性はあるな……)


考えてもわからない為そこで考えるのをやめて、自分にスモールアタックをかけようとして止まる。


(そういえば無詠唱使わんと・・・

よし行くぞスモールアタック)


すると今度は魔力が体を流れる感覚がした後、消える。


(おお!成功か!じゃあやっぱり一回は口に出して唱える必要があるんだな。

説明文に書いといてほしかったよ・・・


さて気を取り直して、スモールアタック8連射!

スモールアタック、スモールアタック、スモールアタック、スモールアタック、スモールアタック、スモールアタック、スモールアタック、スモールアタック、スモールアタック・・・よし8回!


これでレベル上がったよな?感覚的には特に変化なし、と・・・


んじゃ神眼)


[レイン・デュク・ド・オリオン/Lv. 2]

[0/30](晩成型)

[男性/AB/6533/7/8]

[人族/オリオン公爵家]

[HP 29/29

MP 215/215

STR 23

VIT 15

AGI21(+42)]

[魔法]

[スキル

レア4 MP上昇率大

レア5 神速

レア6 我が矛は最弱なり、我が盾は最強なり

レア7 魔力全吸収

レア7 無詠唱

レア9 魔導王

レア10 神眼

エクストラ 言語理解

]


(おお!レベルが上がってる!

特にMPあがりすぎだろ!90くらい上がってるんじゃないのか?

MP上昇率2倍と魔導王で4倍で、計8倍上がったとしても一回で12くらい上がってるのか他とは段違いだな・・・)


自分がやはり異常なのだと実感する出来事だった。


(さて次に水魔法を使ってみるか。

水魔法の一番最初の支援系は再生力小だったな)

「みじゅにょきゃみぇよ、わぎゃにぇぎぁいにこたえぇたたきゃいしもにょをいやぇしぇちゅちゅけたみゃぇ、しゅみょぉりゆりしぇねれぇてぃびゅ」

語訳

[水の神よ、我が祈りに応え、戦いしものを癒し続けたまえ、再生力小(スモールリジェネレーティブ)]


また一瞬体を魔力が流れる感覚がありそしてなくなった後神眼で自分を見ると

経験値が1上がっていた。


(ちゃんと発動したな!言語理解最高!!


さてお次は風魔法のだな)


サクサク行くことにした。


風魔法を唱えると予想通り魔力が体を通り、経験値も1上がる。




その後土、光、闇とやっていき同じように体を魔力が通り経験値が上がっていったが、光と闇だけは一度の詠唱で2も上がっていた。


現在

[レイン・デュク・ド・オリオン/Lv. 2]

[7/30](晩成型)

[男性/AB/6533/7/8]

[人族/オリオン公爵家]

[HP 29/29

MP 215/215

STR 23

VIT 15

AGI21(+42)]

[魔法]

[スキル

レア4 MP上昇率大

レア5 神速

レア6 我が矛は最弱なり、我が盾は最強なり

レア7 魔力全吸収

レア7 無詠唱

レア9 魔導王

レア10 神眼

エクストラ 言語理解

]

となっている。


(よしよし、やはり最初は魔法レベル優先であげていくか。

なら水で決まりだな)


何かあった時この支援系と回復系しか使えない体で最も役に立つのは全魔法才能の中でも回復がメインの水だろう。


よし、スモールリジェネレーティブ、スモールリジェネレーティブ・・・


以下省略


スモールリジェネレーティブっとこれで23回と・・・

んじゃ神眼)


[レイン・デュク・ド・オリオン/Lv. 3]

[0/85](晩成型)

[男性/AB/6533/7/8]

[人族/オリオン公爵家]

[HP 33/33

MP 302/302

STR 25

VIT 18

AGI 25(+50)]


(上がってるな、相変わらずMPだけはアホか!ってくらい上がってるけどな・・・。


10レべになる頃にはお母様のMPを軽く抜くなこれは・・・


俺、恐ろしい子・・・)


調子に乗ってふざけていたがはたときづく。


(魔導王にある魔法才能の水の部分がまだ上がらないな・・・


まあそれもそうか、一生をかけて上げるものだからな

こんなたかが数十回唱えただけでホイホイ上がってたら誰も苦労しないわな)


特にすることもないので頭の中で水魔法を唱え続け、いつの間にか眠ってしまった。




次の日の朝、いつも通りお腹が減ったので目を覚ますとお母様が目の前にいて、もの凄いビミョーな目で俺を見ていた。


(・・・?なんだ?もしかして本をもってきたことを怒ってる?いや怒ってる人の目じゃないな・・・

じゃあなんだ?俺が魔法を覚えることに何かあるのか?


 いや違うな、まだ文字を教わってない。いくらなんでも普通なら読めると思うわけがない。

 なんだろう・・・)


 「レイン、魔法に興味があるのですか」


(俺に問うてるのか?まだ一応しゃべれる事教えてないからなただ聞いてるだけだな)


「アーウー」(YES!)


力いっぱい同意の感情を出して言った。


 「いまのは同意、よね・・・」


 「オー」(YES!)


 そういうと、もの凄い悲しそうな顔をして泣きそうな顔になった。


(え?え?なんで?なんで泣きそうな顔をするんだ?そんな俺が魔法を使ったらだめか?

いやいやいや、家督を継ぐのはほかの兄弟に任せるんだからこれくらいないとやっていけんぜ?魔物がいるんだろ?)


しばらく理由について考えてると1つの可能性に思い当たる。


(もしかして、俺が反乱起こして兄弟皆殺しにしたりするとか考えてます?

いやいやいやいくらなんでも考えすぎだぜ!!)


誤解は解かないといけないので話せるようになったらいつかしっかりと家を出て旅に出ることを伝えることを心のメモ帳に書いておく。


するとお母様がメイドに


「この子が書斎に入り、魔法書を取ろうとしたらやめさせなさい。

私が許可します」


「はい、かしこまりました」


(!!!???

はい?いやなんでだよ!!ふざけんな!!魔法なしで追い出されたら生きていけねーっての!!

クソッ!!親ってのはどいつもこいつも!!

絶対抜け道探して書斎に入ってやる!!)


家を出ていくのを少し早めることを決意したのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る