第5話

 次の日。

 本当に男の子は来なかった。

 楽しい日々が終わった。


 ふと、窓の外を見ると、木の上にボロボロのぬいぐるみがあった。

 よく見るとそれは猫のぬいぐるみのようだった。

 その猫のぬいぐるみに私は見覚えがあった。

 ボロボロになっていたが、その猫のぬいぐるみは、私が生まれた頃から大事にしていた猫のぬいぐるみに似ていた。

 その時、ハッと思い至った。

 男の子の正体に。

 私は「ありがとう」とボロボロになった猫のぬいぐるみに感謝を伝えた。


終わり

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木の上の少年 浅貴るお @ruo

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