【短編】宇宙の賞金稼ぎ、地球に行く
MrR
あと地球人は光る剣にも憧れる(*本編とは関係なし)
Side ライジャ・ガレット
太陽系第3番惑星地球。
とある二大勢力の争いから逃れた連中の駆け込み寺。
あるいはリゾート地。
二大勢力の縄張り争いからは離れており、戦略的にも地球と言う星は無価値だ。
厄介な事に中途半端に文明が栄えていて、様々な国家が乱立している地域国家の集合体だ。
さらに厄介な事だが地域国家の中でも大国の連中のうち、精神的未熟な国が世界の何割かを牛耳っていると言う。
惑星観察局の連中は何時滅びるかとか世界大戦が起きるとかで賭けをしているらしい。
そんなどうしようもない惑星だからか賞金稼ぎだのワケありの連中がよく逃げ込む。
それに釣られるように賞金稼ぎも集まる。
☆
日本。
地球の中では世界的にも栄えている方でそこそこ影響力がある地域国家だ。
危険な生物も早々出くわさない。
いたとしてもクマかイノシシぐらいで可愛いいもんだ。
現地住民の武装もほぼ脅威にならない。
宇宙船から降り立つ。
丸っこく銀色のラインのメタルス制(宇宙の特殊合金)のヘルムとアーマー。
背中にはジェットパックを背負い、武装したフロード(浮遊するバイク)に乗り込む。
ここは日本で言うところのド田舎と呼ばれる地域らしい。
だからと言って特別思うところはない。
宇宙にはこう言う未開拓な地域の方が多いからだ。
二大勢力との戦争で廃墟になったりした場所も珍しくない。
☆
ターゲットのバルシア星人の拠点は人里離れた山岳部にあった。
宇宙船用のドッグと資材搬入用の大きな入り口を見つけた。
俺はバルシア星人の一体をとっ捕まえる。
地球の大気には適応できないのか、それとも金があるのか特殊なスーツを身に纏っているが。まあどうでもいいことだ。
『そのスーツ、お前――ベルゼリア――』
ベルゼリアと言うのは俺を含めた戦闘民族の名前だ。
今はどうでもいい話だ。
『ここで何をしている』
『言えば助かるのかよ』
俺は黙って特殊な銃を構える。
『わわわわかった。喋るよ』
☆
一通り情報を吐き出させた後は眠らせておいた。
簡単に言えば、ここのバルシア星人は地球の天然資源や鉱物を客(星)を選んで売る商売をしているようだ。
さらに地球人相手に技術の売買もしているらしい。
やってる事は死の商人とたいして変わらんし、どうでもいい。
ただクライアントの情報通りかどうか確かめたかった。
この業界、クライアントを少しでも出し抜く気概がないと痛い目を見るからだ。
アーマーのステルスモードを起動させ、施設の内部に潜入していくと騒ぎが大きくなった。
丁度監視施設に辿り着いたので一緒に何が起きているのか拝見させてもらう。
『賞金稼ぎどもだ!!』
『排除しろ!!』
他の賞金稼ぎ連中も自分と同じターゲットを狙いに来たようだ。
彼方此方で激しい銃撃戦が始まっている。
俺はその隙に目的を達成する事にした。
☆
目的のバルシア星人は眠らせて捕らえる事に成功。
宇宙船の囚人収容用のコールドカプセル(別名:氷漬け装置)に放り込んだ。
一仕事を終えたのでさっさと地球からオサラバして賞金首を納品する事にする。
同業者の逆恨みやバルシア星人の手下も恐いが、地球人は宇宙人対策を急ピッチで進めており、そのためなら形振り構わない姿勢を見せている。
その甲斐あってか兵器の開発ペースがとんでもなく進歩してきている。
今回のバルシア星人のようにヘマした宇宙人から技術を分捕ってモノにしてきている証拠だろう。
まあそれでも、まだまだ地球は稼ぎ場所であるのには違いないが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます