第5集 ルーティンルーム

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 緩やかに部屋の自動調光が朝日を再現する。ベッドがゆっくりジャッジアップする。眠いけど、ベッドは倒れず、不快な振動を送る。仕方なく重い体を下ろす。スマートスピーカーが『6:00ウォーキングです』嫌だなぁ。クローゼットが開きウェアをだす。遂行しないと1日の食事には在り付けない。健康指導なんて受けなきゃ良かった…。



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 カンニングルームというのが流行ってる。目標をセットするとAIが必要なルーティンをセットする。あとはそれをこなすだけ。ルーティンをこなさなければ部屋から出られない。ある小説家が使って名作が出来た。有名大学をねらう受験生が使って、見事に合格した。ダイエットに大成功云々。そんな缶詰部屋から救助要請が入るのは、あまり知られていない。



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3日前の自分を呪いたい。食事は低糖質高タンパク。メニューは過酷極まりなく、ダイエットルーティンは進む。確かに痩せてるけど、精神的にキツイ。壁に表示された目標達成率5%……ってあと何日かかるのよ!AIにしつこく『同意しますか?』を求められた理由がよく分かる。ドアは開かないし…もう嫌だ。私は119をプッシュする。



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 『救急センターです』ルーティンルームに閉じ込められて、出られないんです。『健康状態に問題がありますか?』もうしんどいです。『ルームログにアクセスします。バイタルに異常は見られません』

でももうやめたい!『救急は必要時にお使い下さい……ツーツー』ネットで検索。『ルーティンルームを脱出する裏技』『アクセスが制限されているため、閲覧できません』…詰んだ。

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