第5集 ルーティンルーム
#
緩やかに部屋の自動調光が朝日を再現する。ベッドがゆっくりジャッジアップする。眠いけど、ベッドは倒れず、不快な振動を送る。仕方なく重い体を下ろす。スマートスピーカーが『6:00ウォーキングです』嫌だなぁ。クローゼットが開きウェアをだす。遂行しないと1日の食事には在り付けない。健康指導なんて受けなきゃ良かった…。
#
カンニングルームというのが流行ってる。目標をセットするとAIが必要なルーティンをセットする。あとはそれをこなすだけ。ルーティンをこなさなければ部屋から出られない。ある小説家が使って名作が出来た。有名大学をねらう受験生が使って、見事に合格した。ダイエットに大成功云々。そんな缶詰部屋から救助要請が入るのは、あまり知られていない。
#
3日前の自分を呪いたい。食事は低糖質高タンパク。メニューは過酷極まりなく、ダイエットルーティンは進む。確かに痩せてるけど、精神的にキツイ。壁に表示された目標達成率5%……ってあと何日かかるのよ!AIにしつこく『同意しますか?』を求められた理由がよく分かる。ドアは開かないし…もう嫌だ。私は119をプッシュする。
#
『救急センターです』ルーティンルームに閉じ込められて、出られないんです。『健康状態に問題がありますか?』もうしんどいです。『ルームログにアクセスします。バイタルに異常は見られません』
でももうやめたい!『救急は必要時にお使い下さい……ツーツー』ネットで検索。『ルーティンルームを脱出する裏技』『アクセスが制限されているため、閲覧できません』…詰んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます