第18話 フレンチトースト

side:エリカ





危険を承知でハチミツを取って来てくれた、メイドのチュニーの頑張りに応える為にも


現状で最高のお菓子を作る事を決意しました!


まずは厨房に行って必要な物を揃えましょう。




「失礼しまーす、ジョゼ料理長は居ますかー?」



「エリカ様、もしかして今から菓子作りですか?それなら申し訳無いんですが今は食事の仕込みで立て込んでまして」


「大丈夫です、材料とフライパンを貸りに来ただけですから」


「それなら良いですけど、フライパンで作るとなるとジャムみたいな物ですか?」


「いえ、今回はパンをお菓子にしようかと思って」


「パンを菓子に?全く想像出来ませんがお手伝い致します。」



「ちょっ、何言ってるんですか料理長、まだ仕込みの最中でしょう!」


「うるせぇ!今日はお前らに任せるからしっかりやっとけ!」


「そんな事言って料理長は出来立ての菓子を食べたいだけでしょうが、俺達だってエリカ様の菓子は出来立てを食べたい(怒)」


「そうだそうだ!」「ずりぃぞ料理長!」「せめてデザート担当と代われー!」




えぇー?!


私の為に皆揉めないでぇー!


正確には私が作るお菓子の為だけど、ここは私がなんとかしなければ!



「えーっと、皆さん!お手伝いはデザート担当のニールさんにお願いします。」


「おっ、俺が手伝いっすか?!」


「ニール嫌なら遠慮するな、俺が代わってやる!」


「大丈夫っす料理長、せっかくエリカ様が指名して下さったんですから俺頑張ります!」


「ではニールさん行きましょう」








必要な材料とフライパンを持って庭にやって来ました


今から作るのは『フレンチトースト』です、ハチミツを味わうならフレンチトーストでしょう♪



「あのエリカ様、ここまで来て言うのも変ですけどデザート担当って言っても、俺は果物を切って並べたりジュースを作るくらいしか出来ないんですけど」


「大丈夫ですよ今回はとっても簡単ですから、ちなみにニールさんは野営の時に使う『かまど』は作れますか?」


「ええ、ここならレンガもあるんで野営で使う物より良いのが作れます」


「じゃあニールさんはかまどを作って火をおこしておいて下さい。お姉ちゃん、魔法で細かい氷って出せますか?」


「勿論です!何処に出せば良いの?」


「そこの木桶に出して下さい。」


「むぅ、、、はっ!」



おおっ!


一瞬にして木桶の中が、かき氷みたいな氷で満たされました


さすがお姉ちゃんです♪


ここにバターを入れた容器を氷の中にズボッと入れて冷やしておいて


次は


卵に生クリームを加えてよくかき混ぜたら、3センチくらいの厚さに切ったパンを浸しておきます




「エリカ様、火が良い感じになって来ましたけど」


「ではフライパンを熱してバターを溶かしたら卵液に浸しておいたパンを投入して下さい」


「おっ、俺が焼くんすか?!」


「ふふっ、心配しなくても焦げないようにだけ注意して両面焼くだけですから」


「がっ、頑張ります(汗)」



『ジューーー』


「「「「「おおっ!」」」」」



すぅーはぁー、すぅーはぁー♪


バターの良い匂いに皆が驚いていますけど、驚くのはこれからですよ(笑)




「エリカ様!パンに良い焼き色が付いたと思うんですが」


「完璧ですニールさん!そのままお皿に出して下さい。そしたら冷やして固めておいたバターをパンの上に乗せて、仕上げにハチミツをたっぷりかければ


『フレンチトースト』の完成です♪」



「「「「「おおっ♪」」」」」



「さあチュニー、どうぞ召し上がれ!」


「えっ?!」


「今回の1番の功労者はチュニーですから最初に食べる権利があります。そして苦労してハチミツを取って来た甲斐があったと知って欲しいのです。」


「エリカがここまで言っているのです、過度な遠慮は失礼になりますよチュニー」



「そっ、それでは遠慮無く頂きます!あーんっ、もぐもぐもぐもぐ、、はぁ~♪」


「チュニー美味しいの?」


「うんうんうんうん!」



ふふっ


アイナさんが感想を聞いても顔を縦にブンブン振るだけで、チュニーは食べる手を止めません


あの表情を見ればフレンチトーストは大成功と言って間違い無いでしょう。



さてと


追加で皆の分のフレンチトーストを作りますか!






つづく。

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