BLUFF
擁壁の話が出たので、ついでにBLUFFについて。
BLUFFというのは、「切り立った崖」のことです。ブラフ、と読みます。
一般には、はったり、とか虚仮威し、の意味がメジャーです。
桜木町から関内を経て石川町まで、及びその東西には平地が広がっているのですが、これ、埋め立て地なんです。
その南端にそびえる崖。ここを、ヨコハマにやってきた異人さん達はBLUFFと呼びました。この崖の上が外国人居留地でした。
横浜市中区。今ではそこは高級住宅地、山手町。
市電が登るために切り通された「電車道」辺りから、海に突き当たる「丘公園」を過ぎ、港を見ながら「ワシン坂」まで。
いやあ、メインの道もそうだけど、ちょっと入った所に豪邸がいーっぱい! ブラブラすると、笑っちゃうぐらい大きくて凝った家だらけです。
車も凄いぞ。ベンツって普通の車なんだな、て思うくらいに並んでいます。むしろ国産車が少ないのです。
あ、お宅拝見散歩って、けっこう大変なんですよ。時間かかるので、なんならグーグルアースとかで見ても凄いです。敷地が広い。地上からではわからない屋上プールを見つけることもできます。
マジすげえ。
さて外国人居留地ですので、当然洋館が残っています。
その中には、BLUFF○番館、なんて呼ばれてて、見学できたり、ギャラリーのように使われているものもあります。古そうなのに普通に住まわれているお宅もあるんですけどね。
洋館群は、ハロウィンやクリスマスには、飾り付けも変わってイベントもありますよ。
で、この崖、尾根なんです。狭い。崖の上は台地が広がる、とかじゃないんです。
そのため、ここに建築するには擁壁が必須でしてね……キター! ブラフ積み!
いやなんか、好きなんです。
でも擁壁クラスタでは、ないです。ワッフルとかには「ふーん実用的でいいね」ぐらいで済ませます。
ブラフ積みの、古びがいいんです。城の石垣に萌えるのと似た感じですね。
あ、石垣には萌えない……? それは残念です……。
ブラフ積みには細長い石を使います。
一本横置きしたら、次は縦に深く置きます。それを順番に繰り返す。
次の段は下で横置きした真ん中に縦置きして、ずらして重ねていきます。
はい近況ノートに写真です! 完全に私の趣味で申し訳ない……。
https://kakuyomu.jp/users/yamadatori/news/16818093078346805421
こうして造ると、土の中にずらして串を刺したような構造で強い!
関東大震災にも耐えたブラフ積みが、一般住宅を含めあちこちに残っているんですよ。
石材としては主に房州石。東京湾を渡って持ち込まれたようです。
あとは大谷石もけっこうあります。ミソが抜けてボコボコになっていますよ。
ブラフ積みは横浜の古い町だけでなく、横須賀や東京にもちょこちょこあるみたいです。
あ、でも横浜で古いというのは、他所の基準では新しいかも……しょせん、幕末までは街道と宿場以外、寒村だった所なのですよねえ。
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