メリーゴーランド

ハナミ

第1話クルクル

煌びやかなメリーゴーランド

その回転する

童話の中の乗り物

不思議ね

この歳になって

乗ってみたいと

ふと

疲れた現実から

夢の中に

いきたいなって

今のワタシはどんな気分

キラキラ

輝いて

どれも

これも

眩しい

わたしはカボチャの馬車に

ロングスカートの裾を持って

モコモコの

服で

頬を撫ぜる

なんとなく

電車を乗り継いで

きた

遊園地

寂しいかったかも

ゆっくり

メルヘンな曲が流れて

寒い中

束の間の夢を見る

カボチャのお姫様は

純粋でもなく

綺麗でもなく

ハイスペックな王子様に会いに行く

魔女に美しいラッピングをしてもらい

ハリボテの

馬車に乗り

靴を片方だけ残したのは

偶然?

打算?

さーどっちお姫様?

落ちた片方だけのガラスのクツ

恋に狂った

王子様は

多額の無駄遣いをして

胸を貫いた

お姫様を探す 

国中に 

無駄なお金をばら撒きながら

自己中で

お姫様は

プライド高くらく

場所から動かない

迎えがくるまで

カンカン

お姫様の家にも

王子様の使いが

フカフカの真紅のクッションに

乗せられた

ガラスの小さなクツ

誰も受け付けない

気位が高いクツ

義理の姉たちも夢を見て

足を入れるが

入らない

お姫様は

謙虚なフリフリが得意

すすめさせて

履く

ピッタリの

冷たいガラスのクツ

いつ

砕けちゃっうかもわからない

傲慢な二人

好きなら好きで

愛なら愛で

初めから言えばいい

ねぇ

打算的なお姫様

無駄遣い

恋狂いの

王子様

ワタシは

小さな時

初めて読んだ時

今思い出した時


うそがなければ


純愛だった物語



嘘は煌びやかに綺麗な乗り物にかえて


クルクル回転する


ふと


帰れる場所があったのが


喜び

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

メリーゴーランド ハナミ @muneta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ