飛ぶ

@hiesho-samui

第1話

 もう、30歳。

 私は、30で死ぬと思ってた。25歳すぎてから、死なないことに気づいた。

 やり残したことがあるかないかは分からない。人生が辛いから死にたいとかそういうことではなくて、生きてるのかどうか分からないというのが思考の半分を占めていて、例えば100歳で生きるとしても残り70年以上も生きることを考えると疲れる。

 顔は中の下、下の上くらい。自分で自分を下の下というのは更に苦しくなりそうだから言わない。顔が整っていれば、人生に希望が持てたかもしれない。かといって整形したいとかは思わない。自分にお金をかけたとて、と思ってしまうからだ。だから、キレイになって見返してやるとかかわいくなりたいと行動できる人はすごいと思う。

 私は私の人生の主人公だと思ったことがない。

 ただ、スタートしてしまった人生の終わりを待つ動く物体だ。

 ただ、漠然と死にたいなぁと口癖のように思う。

 どういう風に死ぬのかは分からないけれど、ただ、30歳で死ぬんだろうな。それだけだを思って生きてきた。

 自ら死ぬのは、人生の選択肢の中のおくそこに

 もし、実行できるくらいになればもっと生きやすくなるんじゃないかと思ってる。いや、実行できる時点でもう死んでるし、実行できる時点で精神的に追い込まれてる。

 死にたいと他人に言えば鬱だとか言われるけど、そういうことではなくて、生きていても無意味感と毎日が同じでいつ終わるのか予測ができない疲労感がもういいかなと思わせてくる。

 文面だけだと鬱じゃん。

 ダメじゃん。

 えっ。やば。

 難しいな。これを伝えるのは。

 まぁ、今日明日死ぬわけではないから。

 できないし。

 生き物として選択肢に死ぬ事が入ってる時点でだめなんだろうけど。

 例えば、お試しができればもう少し変わるかもしれない。自分の中に、実行できない選択肢があることもできないこともしんどいし。

 もし、自分にもいつでもできるという自信があれば今よりは生きやすくなるんじゃないかと思っている。

もし、お試しでできるのならしたい。

 お試し……ね。

 できないしな。

 お試しで終わる。

 仮に中途半端に生き残っても、万が一後遺症を背負ってしまったら今以上に生きにくくなる。

 それは避けたい。

 そんなことをもやもやっと考えながら生きている。


 

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