41:お姉はどスケベだよ!!!
「お姉きたよ……あれ、元気がなさそうだけどどうしたの?」
私が掲示板の内容を見てうなだれているところに、ちーちゃんがお見舞いに来てくれた。どうしよう……私が真田くんに対してとんでもなくエッチなことを考えていたのか聞いてみようかな? ちーちゃん、もしかしたら何か知っているのかもしれな——
いや待って!? ちーちゃんに知られていたらやばいでしょ!? や、やっぱり聞かないでおこうかな……でも万が一知ってたら……。
「お姉…………はっ!? そ、そんなにぼーっとしてるってことは……け、賢者タイムに入ってるってこと……!? ま、まさか真田くんと…………え、エッチ! エッチエッチエッチエッチエッチ!!!!!」
「な、何を言ってるのちーちゃん!? べ、別に真田くんとそういうことをしたわけじゃないし、そもそも病室でそんなことできるわけないでしょ!!!」
「そ、そんなこと言ったって、お姉はどスケベだから平気で変なことしちゃうじゃん!」
「ど、どスケベ……!?」
ちーちゃんがむっつりスケベでエッチなものに敏感なのは覚えている。でも、私がどスケベ扱いされる覚えはない。そういえば、昨日も真田くんと二人きりでいた時に入ってきたちーちゃんにエッチとか言われてたよね。わ、私が忘れちゃった記憶で私は何をしちゃったの!?
「ね、ねえちーちゃん……わ、私ってどスケベなの?」
「そうだよ、お姉はどスケベだよ!!!」
「え、ええ!? な、なんでそんなこと言うのちーちゃん! わ、私そんな性欲に溺れるような女じゃないはずだよ!?」
「それはお姉が真田くん関連のことがすっぽ抜けちゃったからだよ! だ、だってお姉、記憶喪失になる前、真田くんの写真を部屋中に貼ってたし……」
「ええ!? そ、それは嘘でしょ!?」
「ほんとだよ! これ見て!!!」
「あ、あああ……!」
そんなことするわけないじゃんと思っていたけど、ちーちゃんが見せてくれた私の部屋の写真をみたら、それを信じざるを得なかった。な、何この部屋中に私と真田くんのツーショット写真を貼った状態は……で、でも不思議と嫌悪感は全然感じなくて、むしろ……
(真田くんがいっぱい……うへへ)
とか思っちゃった私はおかしいのかな?
「で、でもこれだけじゃエッチって判定は厳しすぎるでしょちーちゃん!」
「これだけじゃないもん! ほらこれ、お姉が通販で買ったディ●ド! こ、これ使ってお姉、夜中に……あああ! エッチエッチエッチエッチエッチエッチエッチエッチエッチいいいいいいいいいいいいい!」
「えええええええええええええ!?」
今度ちーちゃんに見せられた写真は、私が買ったらしいディ●ドだった。こ、これは確かにエッチな道具だけど、本当に私がこれを使ってエッチなことをしたのかな?
「ほ、本当に? ちーちゃんが使ってたのを私に押し付けようとしてるんじゃないの?」
「ち、違うもん! た、確かに私宛に届いてたけど、それはお姉が勝手に私のアカウントで買ったせいだもん! これのせいで私のアマゾンのページしばらくエッチな道具ばっかり出るようになっちゃったんだよ!」
「さ、流石に嘘でしょ!」
「ほ、ほんとだって! お姉は純愛からは程遠いエッチなことばっかり考えてるどスケベなの!!!」
「そ、そんなことあるわ……!?」
ふと突然、覚えのない光景が頭の中に思い浮かぶ。
———
でも……もし真田くんが相当でかいアレを持っているとしたら……わ、私も色々と準備をしないといけないじゃん! え、えっと、で、でも何をしたらいいんだろう……。
と、とりあえずここはアマゾンでそういうエッチな道具を買ってみるしか……えい!
———
な、なに今の光景……た、確かに私がアマゾンでこのディ●ドを買ってた。そ、それになんで私は真田くんのアレが相当でかいとか思っちゃってるの!? わ、わけがわからない……ど、どんな思想で私はあんなことをしちゃったの?
「ど、どうしたのお姉!?」
「い、いや……た、確かにディ●ドは買っちゃったかもなぁって思い出したと言うか……」
「き、記憶が元に戻ったってこと!?」
「うーん……すごく断片的だけど……」
「よ、よかった。ならお姉、もしかしたらエッチな道具をみれば真田くんのこと思い出すかもしれないよ! そうだ、今度ディ●ドを病室に持ってきたら……ああああ、そんなのエッチ! そんなことできるわけないじゃん!」
「ち、ちーちゃん一人で暴走しないで……。で、でもエッチな道具をみて真田くんの記憶が戻るなんて、やっぱりあり得ないよ。多分今のはたまたまだと思う」
正確には、エッチなこと関連で真田くんのことを思い出すのは……なんか、イヤ。
「そ、そっか……。でもお姉、少しだけ記憶が戻ってよかったね」
「いやー……これ思い出してもねー。で、でもちーちゃん、絶対真田くんには私が部屋中に写真貼ってたとかディ●ド買ってたとかいっちゃダメだからね!」
「い、言うわけないじゃん! 私が恥ずかしいよ!」
「よかった……」
とりあえず記憶を失う前の私が真田くん関連で相当エッチなことを考えていたのは少しわかった気がする。そこまで暴走してしまった原因がなんなのかはわからないけど……なんだか、その原因がわかったら記憶が元に戻るような気がしないでもないような……。
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