バイト先の可愛い先輩に子供扱いされているので、見栄張って帰り際に先輩の前で使う予定がない0.01mmのアレ買ってみた。すると翌日からどうも先輩の様子がおかしい
1:先輩の目の前で0.01mmのアレを買ってみた
バイト先の可愛い先輩に子供扱いされているので、見栄張って帰り際に先輩の前で使う予定がない0.01mmのアレ買ってみた。すると翌日からどうも先輩の様子がおかしい
倉敷紺
1:先輩の目の前で0.01mmのアレを買ってみた
とある住宅街の中にある、全国展開されているコンビニ「エイトテン」。高校生である俺、「真田嘉人(さなだよしと)」は家から自転車で通えること、そして高性能のゲーミングPCを買うためにそこでアルバイトをしている。
何かと忙しく、かつ厄介な客が多いやら覚えることがたくさんだとか、コンビニのバイトはそんな悪評が理由で敬遠されることも多いらしいけど、俺が働いているとこは案外楽だ。あんまり人がいない閑静な住宅街の中にあるってのが大きいのかもな。駅前とか学校の前とかは忙しいって聞くし。
だから俺は全くストレスを感じずにのんびり労働に勤しむことができている。でも、このバイトに問題点があるとすれば……それは、この人の存在だろう。
「真田くんお疲れ〜、今日も可愛いねぇ」
バイト先の休憩室で出勤前の準備をしていた時、遅刻ギリギリの時間で「土屋」先輩がやってきた。土屋先輩は俺より一年前にここでバイトをしている、大学二年の女子大生だ。シフトの時間がよく被り、夕方の時間は俺たち二人で店を回すことがもうお決まりみたいなものになっている。
可愛らしいボブの茶髪に、すらっとした手足、そして街中で人目を引くほどに端正な顔立ち。そして、何よりつい目線に困ってしまうほど、形の整った胸。正直、土屋先輩はめちゃくちゃ可愛い。初めてみた時、心臓が破裂しそうなぐらいドキッとしてしまったのは内緒だ。
だけど、俺はその先輩から子供扱いされている。多分、それは俺が高校生で、彼女が大学生だからだろう。
「つ、土屋先輩! お疲れ様です……あ、あと可愛いは余計ですから!」
「えー事実なのに。真田くんが反抗期迎えちゃって私悲しいなぁ」
「は、反抗期じゃないですから! そもそも先輩はどうして俺のことを可愛いって言うんですか!」
「ん? そりゃあ、真田くんが可愛いからだよ」
「こ、答えになってないですけどそれ!」
「そんな細かいこと気にしないの。ほら、よしよし」
「う……」
土屋先輩は俺をなだめるために俺の頭を優しくさする。ああ、またこのパターンだ。こうやって先輩のいいように手のひらで転がされて、結局言いくるめられちゃうんだよな。まさに、いじける弟をなだめる姉の図と同じような光景だ。
「よーし落ち着いたね。それじゃ、働きに行きますかー。ま、今日もお客さんあんまり来なさそうだし、いっぱい喋ろーね」
「い、いいですけど。また店長にサボりすぎだって怒られない程度には品出しとかしときましょ」
「オッケー。じゃあ真田くん、どっちが早く品出し終わらせられるか勝負しよう。負けたらアイスおごりね。それじゃ、私カップ麺のとこやるー」
「そこほとんど減ってないから先輩が勝つに決まってるじゃないですか!」
「ちぇっ、バレてたか。あ、いらっしゃませー」
お客さんが来ると、だらけた雰囲気が出まくっていた先輩は様変わりして、フレンドリーでしっかりとした接客をし始めた。案外しっかりしてるところも、土屋先輩のいいところだよなぁ。
……まぁ、実際先輩との今の関係も嫌じゃない。可愛い土屋先輩からこうやって話しかけてもらえるのも嬉しいし、何より土屋先輩のこと、気になっていないといえば嘘になる。だから、こうして一緒に過ごせるだけで俺には十分すぎるぐらい幸せだ。
でもやっぱり俺は男として先輩から見てもらいたい! 先輩から子供扱いされるよりも、一人前の男として扱ってもらいたいんだ!
そのための秘策を、今日は用意してきた。
「んー、暇だなぁ。あ、真田くん今日はいつもより早めに上がるんだっけ? 寂しいなぁ、延長してもいいんだよ〜」
しばらく経った後。俺がバイトが終わる二分前になると先輩からそんなことを言われた。いつもならもう1時間働いて先輩と同じ時間に上がるから、そう言ってもらえるのはなんだかんだ嬉しい。
「そうなんですよ。シフト間違えて入れちゃってて」
嘘だけど。本当は、わざとそうなるようにシフトを変更してもらったんだ。
「えー。でもよかった、真田くんが私と仕事したくないーとかじゃなくて。私、真田くんと一緒に働くの好きだからさ」
「え!? あ、ありがとうございます……」
「あー照れてる。ほんと真田くん可愛いなぁ〜」
「う、うるさいですよ! あ、時間なんで上がります。お疲れ様です」
「うん、お疲れー」
時間になったので、俺は休憩室に入って服を着替える。そして、計画を実行するために息を整えて、店の中であるものを手に取り、それを土屋先輩のいるレジに持っていく。
うん、今いるフリーターの田中さん(女)は飲料入れるためにバックに行っているな。これなら土屋先輩にしか知られない。
……よし。
「あ、真田くんまたコーラ買っていくの? ほどほどにしないとぷくぷく太っちゃっ………………え」
思ってもみなかったものが置かれて、土屋先輩は目を丸くして言葉を詰まらせてしまう。それも仕方がないかもしれない。だって俺は、0.01mmのアレ、コンドームを買おうとしているんだから。
「お願いします」
「………………こ、これ…………あ、あっ……さ、真田くんには早いんじゃないかなぁ…………」
想像以上に先輩は動揺していて、こんな土屋先輩を見たのは初めてだった。……申し訳ない気持ちはあるけど、俺だって覚悟は決めてる。
「いいえ、早くないです。もう俺も子供じゃないんで」
そう、俺は子供じゃないってところを見せたかったんだ。酒とかタバコは買えないけど、これは買っても問題ない。……使う予定は全くない、見栄を張るためなんだけどさ!
「…………へ、へぇ…………さ、真田くんに彼女が…………い、いつの間に…………」
「つい最近ですね」
余裕で嘘。告白されたこともない。なんだか言ってて悲しくなってくる。
でも、先輩動揺しすぎじゃないか? 正直笑われるのかと思ってたけど、こんな反応見せられたら流石に罪悪感も……いや、ここで嘘でしたといったら今日の勇気はなんの意味もなくなる。ここは我慢だ俺!
「あー…………そっかぁ………………」
「では、俺はこれで」
「お、おつかれー………………」
そして、俺は先輩の前でコンドームを買ってしまった。無論これは使う予定がないのでどっかで処分する予定だけど、あんな反応を見せられるとは思ってなかったなぁ……。
いや、これで先輩も俺のことを多少は男としてみてくれるはずだ。よし、帰ったらまた筋トレするぞ!
「…………さ、真田くんに彼女……わ、悪い虫がついちゃった…………。さ、真田君の童貞……と、取られちゃった……………ず、ずっと狙ってたのに……い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁあぁあああ!」
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